没後二百年、慕情、他 【詩作4編】
没後二百年
死にたい、
そうつぶやいたきみは、夜と同期する、
きみが眠っている間、深く深く眠っている間、
薬を飲んで眠る間、夢を見ている間、
きみは夜と同期するよ、
きみの情報は夜に流れて、
夜の静けさもきみに流れた、
きみは夜のことを知っていたし、
夜もまた、きみのことを知っていた。
人は死んだら夜と同化する、
だからきみが死にたいと思っても、
(思っていなくても)
きみはいずれ夜と同化して、
僅かな光の美しさを教えてくれる、
ぼくはその一瞬の光を、静かに待っている。