『I miss you.』ー短編ー
※2018/07/02 作品 508文字
僕はね。可能な限り
答えを出したくないんだ。
たとえ光を失ったとしても、
また出逢えると信じて生きていく。
そうすることでしか、
僕は僕を支えられないんだ。
「人間は自然の一部。」
たまたま僕たちが、自然の
一部を担うことになった訳で…。
「もしその通りなら、
人間が作ったものも
自然の一部になるよな。」
薄暗い図書館の中。
――自然を恨まないで。
――人間を恨まないで。
心の奥底で、叫ぶ声がする。
――自然を許して。
――人間を許して。
「誰なんだ?」
――生まれて生きて死ぬことも使命なの。
「だから君は…」
――故郷に還りたいな。
――この地球という故郷で、最後を迎えたいの。
「あぁ…思い出したよ。」
その声の持ち主は、
今は亡き君の声だった。
当たり前だった日常が崩れ、
溢れ出る涙と抑えられない感情が、
君と共に過ごした時間ごと消えていた。
「これ以上、失いたくなかった。」
いつの頃か、その想いすら忘れていた。
「バカだよな。俺は。」
僕の知らない場所で君は生きている。
なんて確証のない思いを抱いたまま、
今もつまらない毎日を過ごしているんだ。
「やっと見つけた。ここにいたんだね。」
君にもらった本を、そっと静かに閉じた。
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当たり前のように思える毎日に、"同じ日がないこと"を知った。きっと、あなたのその行動にも、"同じ行動はない"でしょう。"かけがえのない毎日"と"あなたのその何気ない行動"は、たった一度の出来事なのよね。ありがとう。