がん相談支援者から当事者へ(その9)
1年間の抗がん剤治療の結果、再発もなく治療は終了しました。
その後は1か月ごと、3か月ごと。半年ごとと定期受診の頻度は減り、腫瘍マーカーも胃カメラも造影CTの結果も異常なく、5年目を迎えました。
ちょうど5年目の検査を行い、これで異常がなければ晴れていったん卒業、のはずが診察で思わぬ言葉。
腫瘍マーカーが上がっています。
確かにCA19-9というマーカーが50くらいに上がっています。
胃カメラの所見を見ても、造影CTの所見を見ても特に異常は見つからず。
主治医からは2か月後PET検査を予約しましょうと言われました。
自覚症状もなく、自分では全くわかりません。
ところが1か月たち体調に変化が出てきました。
食欲が落ち、少し動くと息切れがしだしました。
体に痛みが出てきて寝がえりをしても痛い。
車の乗り降りに痛みが生じ、運転中に踏切などの振動でも痛みます。
そしてPET検査。
その結果診断は「骨転移」。
先生も症状を聞きながらうなずいていました。
その日から再び抗がん剤治療スタート。
前回とは内容が異なり、オキサリプラチンの点滴とTS-1。
ところが服薬を開始しても食欲は戻らず、痛みも改善せず、体調は全然よくならず。
2週間後の診察予約でしたがあまりにしんどいため1週間後に受診。
結果血小板が下がりすぎていることがわかり、そのまま入院することになりました。
2週間入院することになるのですが、以前の入院とは異なりコロナ下での入院のため家族面会は禁止。
これが結構精神的に参りました。
何をしてほしいということでなく、いてくれたらそれだけでストレス軽減につながることを前回入院と比較して知ることになりました。
ただ、とにかくしんどくてテレビを見る気にならず、本や新聞も読む気にならず、それでも1日が苦痛なく過ぎていきました。
血小板は改善しましたが血中のカルシウムの値が上がらず、退院後は毎日点滴が必要でしたが通院は難しかったので、訪問看護を利用することになりました。
訪問看護の指示書を書いてもらう在宅医を決めて、訪問看護は私の勤務先に依頼。
特別訪問看護指示書と一般の指示書を組み合わせほぼ毎日訪問看護に来てもらいました。
入院費と薬代、訪問看護の利用料で高額療養費に該当し、10月~12月は上限を超えそれ以降多数回該当になりました。
仕事のほうはとにかくしんどくて、今回は治療中は休ませてもらうことを伝え会社も了承。傷病手当金生活が始まりました。
初めての傷病手当金の申請でそれまで気づかなかった思わぬ収穫があったのです。