がん相談支援者から当事者へ(その1)
私はもともと医療相談員(MSW)として相談にかかわりながら、地域のがん患者支援にもかかわってきました。
その支援者ががん患者になるという経験を5年前にして、今回さらにがん再発という経験をすることになりました。
支援者が当事者になって気づいたこと、経験したことを少しずつ紹介したいと思います。
私は長い間医療機関に勤務し、最初は総合事務だったのですが、途中から医療相談員(MSW)として働くことになりました。
たまたま社会保険労務士の資格を取ったからということで。
今では多くの病院にある「地域連携室」がまだ少なかった時代です。
私の所属は病院併設の「在宅介護支援センター」で、そこに机はありながら日々の業務は病院の相談員という変わった立ち位置。
私の周りは全員ケアマネジャーでした。
でもこの微妙な立ち位置のおかげで医療と介護両方の立場が分かるようになりました。
異動後MSWとして働くので通信教育で社会福祉士の資格を取り、その後精神保健福祉士の資格も取得しました。
こうして医療事務から医療相談員として経験を積んでいくことになります。
10年以上前の医療相談室は今でいう平均在院日数や在宅復帰率もまだ関係なく、本当に困った患者様にしっかりとかかわれるそんな職場でした。
ホームレスの方やごみ屋敷で暮らす方、医療費が払えない方、支払いに困る方、身寄りがない方など、医療機関にとっては大変な方の相談が多かったですが、一緒に部屋を探したり、ごみ屋敷の掃除に行ったり、生活保護の申請に行ったりと日々やりがいを感じました。
もちろん介護保険の申請や転院先、入所先などの退院支援もやっていました。
この経験がその後の私の進路に大きくかかわっていくことになるとは、その時は全く思いませんでした。
そのころ関わらせていただいたたくさんのAさんについて、別で紹介させていただいています。
社会保険労務士の資格を持っていたということ、ファイナンシャルプランナーの資格もとり、お金や年金などの知識もあるということと、日々の困難ケースへの対応経験から医療介護関係で講師を受けることも増えました。
今でも介護支援専門員の専門研修の講師をさせていただいています。
そんな中でがん患者支援にもかかわるようになりました。
今回はここまでです。