Esportsの会「プロゲーマーの定義」議論まとめ#1
2019年1月5日、esports関係者、esportsに関わりたいと思っている方々がEsportsの会に徴収された。
そこでは、「プロゲーマーの定義」について熱い議論が繰り広げられた。
この記事では、そこで行われた議論をまとめ、実際の「プロゲーマーの定義」とはという解をよろずが勝手に出したいと思う。
※批判はちょっとだけ受け付けます。
議論の内容
Esportsの会には実際携わっている人もいれば、まだ直接は関わっていないという方もいるので、2つの意見を交えながら議論が行われた。
一般の方が考える「プロゲーマー」
・企業などから資金提供を”定期的“に受けている人のこと
・大会賞金などゲームに関わることで生計を立てているゲーマーのこと
・スポンサーが付いているゲーミングチームに所属している選手のこと
メディアなどで報じられるプロゲーマーの定義は、このような内容が多いように感じる。
プロゲーマーという呼び名が本当に必要なのかという問いに関しては、それによってゲーマーという人格が認められるのであればある程度の指標として必要なのではないかという意見も上がった。
あ、確かに。
esports関係者の考える「プロゲーマー」
・そもそもプロアマを実態として考えておらず、大会主催者が指定するプレイヤーやチームで区別をしている→つまりプロを決めるのは企業や大会主催運営次第
・第三者は金やスポンサーでプロを定義するが、プロから見ればどうでもよく、結果を出すことだけにこだわっているという認識
やはり世間体のことを兼ねた上で、第三者から見られた時のことを踏まえた意見が多く感じた。
プロゲーマーライセンスも日本で発行されてはいるものの、世界的に見ても日本だけだという。
ゲームには著作権が存在し、権利を持つ団体がいることにより、統一することはほぼほぼ不可能だという意見が出た。
少し議論が進展し、やはり関係者の意見では、「気付いたらプロになっていた」という選手が大多数を占めているらしい。
先ほども述べた通り、真のゲーマーが求めるものは“プロ”という肩書きではなく、ただその大会、そしてさらに大きな大会へと進む為の実績だけであった。
そのために積み上げてきた努力がスポンサーやチームに認められて、プロになるというケースが多い。
加えて、様々ジャンルやゲーム性が全く違うものばかりのこの業界で、“ゲーマー”と一括りに定義すること自体がおかしいのではないかという意見も出た。
“本来別のもの”であるのだから、当然だと思うが、ゲームをやっていない人から見れば明らかにその人がやっているものは“ゲーム”でしかないのだから、貴重な意見だと思った。
結果、プロゲーマーと呼ばれる人に相応の実績と態度や姿勢を求め、その対価を金や権威を保証してあげる必要があるという答えにまとまった。
チームに所属して給料をもらっているのなら、サラリーマンではないのか
すごく新鮮な意見だった。
確かに、法人化されたチームは会社であり、そこに雇われゲームという業務をこなしているのであれば、サラリーマンなのではないかという問いが生まれた。
・勝てなくても所属している限り給与が保証されているのはかなり無理がある(事業の柱が別にあることを除いては)
・給料をもらってプロの自覚がないのも問題である。
要するに、企業の為にもプロと名乗るのであれば個々の主観で述べるのが好ましいのではないかという意見。
これらの意見を覗いてみてのよろず個人の意見だが、プロチームに所属しているからプロゲーマーではなく、個人として賞金や自らにスポンサーがつくような(レッドブルなど)プレイヤーをプロチーム所属として選手を守る責任があるのがプロチームであり、そもそもプロゲーマーは個人次第なのではないかと意見させて頂きます。
但木一真さんによるまとめ
・プロの定義はそもそも必要か
-規定を設けることで運営上のメリットがある。演出目的。
-社会的イメージの向上。他のスポーツと同じように扱われるため
-自称するプロプレイヤーの増加による弊害
-競技プレイヤーとプロプレイヤーをわける
-オリンピックのため
・誰がプロの定義をするのか
-パブリッシャー・興行企業がやるべき。ゲーム毎に差異があり統一的なライセンス定義が困難
-自称すればプロ
-業界全体での認識で決まる
・どのような状態がプロなのか
-スポンサーを受けていること
-ゲームをプレイすることで生計を立てられること
-プロの中でもレベルの差がある
-プロを名乗るなら、相応の責任が伴う
-競技プレイヤーもストリーミングプレイヤーもプレイを人に見せることを生業としているのでプロ
-そもそもスポーツ選手だけがプロではない、プロフェッショナルは色んな業界にいる
・ライセンス制度
-団体の権威が備わっていない(ように見えた)ことで反発があった。ライセンス保持者・非保持者を差別化できなかった。
-制度の設立意図が不明瞭だった
-対象タイトルの選定が不自然。海外のいわゆるEsports主流のタイトルより日本のタイトルが優先された
-賞金問題を回避する施策に過ぎないというのが認知されなかった
-パブリッシャーのとりまとめ、興行ビジネスを円滑化する、その延長線上にライセンスがある、というのが実態にも関わらず、Esportsと大きくでたことで、反発がおきたのではないか
-プロとして自覚させる仕組み、クオリティコントロールが不明確
-そもそもタイトルが次から次へ出てくるので、認定団体が統括するのは困難
どこかに形としてEsportsの会の議論がまとめられて残っている媒体はなかったと思うので、今回新しくまとめさせて頂きました。
貴重な意見がまとまっているので、より良いまとめ記事にする為にも、ここはこうしたほうがいい、ここがわかりにくかったなどの意見をいただければ、嬉しく思います。