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もう一つのふりかえり うちには猫がいない

2023年、秋。
我が家の猫どもが、二匹(ふたり)仲良く旅立った。

 ホッケ、女子14歳(糖尿病患猫、原因不明)9月17日。トント、男子6歳(腎臓リンパ腫)11月14日

近所で保護し、初めて飼った猫たち。

猫同士よくケンカもしたし、それをどうにか仲裁する日々。5年経った去年の暮れ。ようやく、猫団子になって一緒に寝ることができた。

生まれた季節で「旅立ち」になるとは、思いもよらず。

猫団子を披露する猫ども

そういう運命だった、としか言いようがない。

動物の寿命は短く、どうしたって人間より先に旅立ってしまう。分かっていたが、結果分かっていなかった。ただ、ひたすら押し寄せる波が来たら、受け止める。
いや。受け流すだけなんだ。「柳のようにね」そう教えてくれた人もいた。

この数ヶ月。
あっという間なのか、何年も経ってしまったのか分からない。そんな時空のはざまにいるのが、「ペットロス」ということなのか…

ホッケ
気難しくて、猫が嫌い。人には甘えん坊でふわふわ。実は後輩猫トントを思いやる一面もあったツンデレだ。晩年、トントに付いてまわり、一緒に寝たり、甘えることもあった。

女の子らしく、猫らしい猫。
私の個展の前日に旅立った、親孝行な猫。最期は私たちが大好きなポーズをとってくれて、伸びして、あくびして、去った。

美魔女すぎる

トント
やんちゃで小学6年生みたいな男子。ホッケを好きすぎて、追い回していたけど、少し大人になってからは、一緒について優しくケア。介護猫。
病院ではアイドルみたいにモテはやされ「こいつは性格いいヤツ」病院の先生にはお墨付きでした。忠実な犬らしい猫。

私の仕事すべて終えるまで待ってくれた、忍耐強い最強の猫だった。

バコーンて壊れた家に住むトント

猫を知り、人を知る

ふたりとも、私たちによく喋りかけてきた。

玄関に迎えにきてくれたり、外に出かける人を見送ったりもしてくれた。普段布団はもぐらないが、飼い主が風邪の時は、そばに寝てくれたりもする。それが猫。

窓辺のふたり

「猫ってこういうもんだ」という噂や情報を、いろいろ確認する、楽しい日々でもあった。その通りだったり、なかったり。一喜一憂した。(きゅうり置いても飛ばなかったし。※「猫 きゅうり」で検索)

猫って「人と同じだな」
と思うことも多々あった。
猫が人に似ているというか…(猫みたいな人もいるし)

同じ哺乳類、同じ生き物。

喋れない彼らから、何らかのメッセージを受け取りながら、一緒に生きてきた。人間同士も共に生きるヒントがありそうだと、感じ取ることも多かった。

私たちに、後悔はない。猫はどうだ…

二匹とも最期をしっかり看取りができたこと。
それができたことは、猫飼いにとってこの上もなく、誇りで「幸せ」でもあった。

きっと多くの人たちは、それが叶わないことが多い。私はフリーランスで良かったと思った。

夫も以前なら難しい状況だったろう職場から、理解を示してくれる人が多くいてくれて…とても幸運だった。

ありがとう。猫たち。
自由な人間みたいだった。
皆違っても、同じに思える、今日この頃。

そうやって暮れていく。
今年はそういう年だった。
来年、また心新たに。
進んでいこう。心に猫を住まわせて。


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