
道草植物図鑑No.6「ゲンゲ(レンゲ)」
私が初めてこの植物を目にしたのは、いわゆる里山と呼ばれるような場所でした。
周囲はぐるり畑と林。
土と緑の爽やかな香りや、木々が鳴らすざわざわという音は、普段なかなか意識に上らない感覚です。
畑の畔に、目を惹く紅色の花が咲いていました。

レンゲの花、童謡などで聞き馴染みはあるけれど見る機会は意外と少ない!
「これがレンゲか〜!」と感動した覚えがあります。
ちなみに正式名称は「ゲンゲ」だそうです。
花の形が「蓮の華」に似ているから、レンゲと呼ばれるようになったとのこと。
そんな初対面から数年後、別の場所でレンゲ畑を発見!

なかなか見ることができないと思っていたレンゲがこんなにいっぱい!
見事なレンゲ畑です。

このとき初めて知ったことが、レンゲは緑肥として使われているということ。
レンゲはマメ科の植物です。
マメ科の植物の多くは、根に根粒菌という菌が共生しています。
根粒菌は、空気中の窒素を植物が栄養として使える形に変換、供給してくれます。
そんなレンゲを田んぼで育てすき込むと、天然の肥料になってくれるのです。
より効率の良い肥料の開発や、作物の品種改良などによって、徐々にお役御免になってしまったそう。
だから、あまり見つけられないのか!
最初に見たレンゲもおそらく、かつて緑肥として使われていたものが逃げ出したものなのでしょう。
そして、レンゲ畑観察フィールドでの新たな発見。
レンゲの花は上から見ると、意外とお洒落なのです。






しかも結構多様性がある。
花の色や開き具合で、見え方が大きく変わる。
少しずつ花ひらいて、姿形を変えていく万華鏡のようで美しい花だと思いました。
追記


結実しても面白い。

ゲンゲ
Astragalus sinicus
マメ科ゲンゲ属
中国原産ニ年草
花時期 : 4〜6月
生育地 : 水田など畑地
出典 : 花と葉で見わける野草/ 近田文弘・
亀田龍吉・有沢重雄
誰かに話したくなる雑草の不思議/森昭彦
おもしろ植物図鑑/花福こざる