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「写真撮影はご遠慮ください」は写真撮影OKなのかNGなのか

タイトルを見て「え?」と思った人もいると思います。

「写真撮影はご遠慮ください」というこの言葉、ふつうに考えれば写真撮影はNG、ダメという意味ですよね。

しかし、少し前にTwitterでこの言葉をめぐって議論が起こりました。

きっかけはある人が「写真撮影はご遠慮ください」について、「できればしないでくれたらありがたいの意味で絶対だめだとは思っていなかった」と告白したこと。具体的には、「たくさん撮るのはやめて1〜2枚だけ撮っていた」と。

わたしは衝撃を受けました。世の中には「ご遠慮ください」をちょっとならOKの意味で受け取ってしまう人がいる…!

Twitterでも読解力の低下だ、国語教育の敗北だ、とざわついていましたが、それだけではないような気がします。

「ご遠慮ください」がとても丁寧な言い方だからです。よく言えば上品ですが、悪く言えばまわりくどい。相手に不快な思いをさせずに納得してもらうための表現です。

ダメだとハッキリ伝えるには「禁止です」のほうが強いし、観光地などで日本語ネイティブでなくても通じる英語の「NO」はもっとシンプル。より直感的に伝えるには「イラスト」もありますよね。

伝える言葉と伝わる強さの関係

伝える言葉より伝わる強さを重視すると、どんどんシンプルになっていくことがわかります。ただ、人によってはキツい言い方だと受け取られたり、場所にそぐわなくなったりすることも。

そこで、相手に指示どおり動いてほしい場合に気をつけたいポイントを2つ紹介します。

1つは、その言葉を目にする人はどんな人なのかを考えること。子どもなのか、大人なのか、外国人観光客なのか。誰に見られるのかをイメージして、その人にとってわかりやすい言葉を選ぶといいと思います。

もう1つは、その言葉はどこで目にされるのかを考えること。高級旅館でのお願いなのか、SNSでの注意喚起なのか。どこで見られるのかによって、その場にふさわしい言葉を選ぶのです。

わたしもふだんコピーライターとして仕事をする上で意識していることです。じつは言葉を選ぶ時が、いちばん力を試されるんですよね。

「ふつうはわかるでしょ」と何気なく使ってしまう前に、誰に、どこで見られる言葉なのかをしっかり考えてみることが大事です。


最後まで読んでいただきありがとうございました。なるほど〜と思ってくれた方はスキ、フォロー、コメントをぜひ。よろしくお願いします。

文:シノ

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