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浅倉秋成の小説を電子書籍で読んだ。長かったが面白かった。

「六人の嘘つきな大学生」は魅力的なIT企業の最終選考に残った六人の大学生が、グループディスカッションの内容が良ければ全員内定もあると言われて準備を頑張っていたが、直前で採用枠は1人で、六人の中で誰が最も内定にふさわしいかを話し合うように言われる。
その議論の最中に六通の封筒が見つかり、それぞれの知られたくない罪を暴いて行く。
封筒を、用意したのは六人の内の誰か。
また、その八年後に、その会社に採用された人物が、本当は誰が封筒を用意したのか探っていく。
こう書くと単純なようだが、読んでみるとかなり複雑で、色々な仕掛けが施してある。
あとがきに、著者が小説を書く時、冒頭からラストまでの折れ線グラフを作り、重要エッセンスはエクセルで管理などとあったので、それだけ細かく準備をしているのだなと興味深かった。
映画化されたが、小説だからこその仕掛けがあったので、どういうふうに表現したのかなと。また、本屋では、それぞれの俳優さんを表紙にして文庫本を売っていた。その俳優さんのファンには嬉しいのかな。

「ノワール・レブナント」は、超能力を持つ四人の高校生が登場人物。他の人の背中にその日の幸福度が点数になって見える男子。毎朝五つ今日聞くセリフが予知できる男子。本の背表紙をなぞると中身が分かり記憶できる本好きな女の子。でも覚えるのは学校で必要な参考書や辞書で、読みたい本は楽しく普通に読む。触ったものを念じて壊す事ができるピアニストの女性。自分を襲おうとした男を壊してしまい、後悔している。
何の役に立つのだろうというような能力だけど、別々の場所に住み関係のない四人が計られたように同じ場所に集められ、何で集められたのか、何のための超能力なのかを結束して探るという物語。それには事故で亡くなったある女性が関わっている。
長かった。
慣れない電子書籍で長さの感覚がつかめず、読んでも読んでも終わらない感じだったが、必ずパズルが嵌め込まれるようになっているのだろうなと言う期待と、答えが知りたくて、最後まで読んだ。
超能力の時点で普通なら読まない本なのだけど、「六人の嘘つきの大学生」が面白かったのと、四人が魅力的で、特に本好きの のんという女の子が可愛くて良かった。
意欲作で、ツッコミどころもあるが、考えさせられる内容だった。
どちらもKindle Unlimitedで読める。

最後までお読みいただきありがとうございました。
11月から12月にかけて色々あって時間がなく、それでも電子書籍で隙間に読めました。年末に買って読んでない本が何冊かあるので、年初に楽しみに読もうと思います。


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