
彼氏(仮)と僕の話
<始まり>
僕と彼の出会いはいつ頃だったろう
LINEを遡ったところ、好きだった人を失いボロボロの状態で名古屋に推しを観に行った直後らしい
彼はマチアプで知り合った
「年上の女性が好きなドS寄りだと思います」というどストレートなのかあやふやなのか分からんが、願ったり叶ったりなシンプルな自己紹介に惹かれて話すようになった
正直言って、マチアプで見る限りは川谷絵○みたいな感じだったけど個人的には許容範囲なので会ってみることにした
当時はノンバイナリーなのを僕は隠していたので、精一杯背伸びして上品な女性に見えることを意識していた
<遭遇>
待ち合わせ場所のビブレで告げられた服装に該当する人は1人しかおらず、遠目から見ても推しに雰囲気が近くて話が違うじゃないか、今からでも入れる保険を教えてくれと祈っていたが、当の本人が話しかけてきたので降参した
間近だと尚更推しに似ている
勘弁してくれ
普通のデートよりもラブホ飲みのが慣れてると言った自分を100回くらい殴っときたい
はにかみながら「小さくて可愛い」と繰り返しながら壊れ物を慈しむように触る手をよく覚えている
<戯れ>
小部屋にたどり着いて、少しじゃれ合う間に気付いたらベッドに押し倒されてて「可愛いから我慢できない」と攻められる
正直全て白く塗りつぶされてしまう感覚だった
初めてかもしれない
とにかくこちらの反応を見た上でどんどん逃げ場をなくしていく
そういう攻め方
なんとなくPlastic Treeのてふてふが頭の中を流れていた
そういう時を何度も重ねて我を忘れて溺れて
でも次第に執着していく彼が怖くなってた
<疎遠を経ての復活>
季節が過ぎ、ようやく寒くなりそうな頃、僕は例年通り鬱状態になり、彼からのLINEを開かなくなった
(僕は数年前から双極性障害と診断されており、去年に発達障害も発覚した)
彼は10個下やし、僕に執着する理由もよく分からん
まあそこの答え合わせはおいおい出来たらと思う
ようやく鬱が軽くなり、彼からのめちゃくちゃ送られてきていたLINEに一通り目を通した
今までは僕が執着して病む側だったので、ある意味新鮮だった
僕は彼に長い鬱がようやく開けそうであることと、間が空いて忘れてしまったのでノンバイナリーである話をしたかの確認のLINEをした
(返事には安心した旨とノンバイナリーは初耳だが気にしないという旨が書かれていた)
彼のことは人間として「好き」なのでそれは伝えた
ただ、自分には恋愛感情が薄いから認識できないということも伝えた
まあ分からないことは適宜聞いてくれて構わない
お互い知っていけばいい
その上で、彼が彼氏(仮)→彼氏になってくれたらいいなと薄ら期待している
まだ隠してた互いをこれから曝け出せるようなそんな関係を夢見てる