”健康”と”関係性”をつなぐ地域通貨Match(マッチ)
東京都町田市の多摩丘陵の端っこにある宿場町の小高い丘の上の、まちだ丘の上病院(まちおか)では、患者さんや利用者さんの「あなたらしい生き方」を実現する取り組みに力を入れています。
そのまちおかが発行し、関連する施設内で利用できる地域通貨をMatch(マッチ)と呼びます。
Matchについて、発行することになった背景や想い、その利用方法などについて簡単にご紹介します。
患者さんだって役割を持てる「おしごと倶楽部」
その取り組みの活動の一つが「おしごと倶楽部」です。
おしごと倶楽部とは、地域連携を担当するソーシャルワーカーが提案してくれた企画。
「患者さんだって、何か役割を持つことができるはず」
私たち医療者は、どちらかというと、一方的にケアを提供してしまいます。もちろん、病院なので必要な医療的な処置や医療的な治療をするのは当たり前。それでも、いつも一方的に「与えられるだけ」だと、何となく生活に張り合いがなくなってしまいます。
そう、入院患者さんは、「病気を抱えているけど、その前に一人の人間」です。
だから、「誰かのために生きたい」。そう思っているかもしれません。
おしごと倶楽部の活動
「おしごと倶楽部」の活動は、様々です。
基本的な考え方は、おしごと俱楽部はあくまでクラブ活動のようなレクリエーションではなく、本気で役割を担うこと、です。
例えば、おしごと倶楽部では、院内職員向けに小物やスナックなどの販売会を行っています。
まちおかは、小野路の小高い丘の上にあるため、近くにコンビニやスーパーなどの売店はありません。
だから、小腹がすいた時の食べ物なども近くで購入することはできません。
そのため、クルー(まちおかではスタッフのことを「クルー」と呼びます)は、一度出勤をすると、買い物難民になってしまいます。そんな時に、このおしごと倶楽部の「売店」は、貴重な役割を担ってくれています。
また、おしごと倶楽部では、季節によっては、地元でとれた穫れたて野菜なども売ってくれています。業務帰りに買い物に行くことができないときにも、穫れたて野菜は重宝します。
このように、おしごと倶楽部は、院内のクルー向けに(現在は、新型コロナウイルス感染症における対応により外部の方の立ち入り制限があるため)、あるとうれしいものを扱ってくれています。
そして、この販売を担当してくれた患者さんや利用者さんは、お給料を得ることができます。
お給料は、まちおかの地域通貨である「Match(マッチ)」により受け取ることができます。
地域通貨「Match」について
地域通貨「Match」は、ヨリドコ小野路宿の裏山の竹を用いて、100%手作りで、製造されています。
竹を切り出し、乾燥させ、研磨してつるつるに磨いた後に、ヨリドコ特性の焼印で「ヨリドコマーク」を刻印して完成です。
Match(マッチ)は、1Match≒50円相当の価値のある通貨として利用できることをまちおかを運営する一般財団法人ひふみ会が保証し、まちおかの関連施設で利用できるようになっています。なお、まちおかの事務部内にあるまちおか銀行によって管理されています。
現在、Matchは、おしごと倶楽部での働いた対価として支給されているほか、ヨリドコ小野路宿の公式LINEのポイントと連動し、Matchへと交換することができるようになっています。
ぜひ、公式LINEも登録して、Matchを集めてみましょう!
地域通貨「Match」の可能性
おしごと倶楽部の活動も、Matchの発行と運用も、まだまだはじまったばかり。新型コロナウイルス感染症の制約もある中なので、色々試行錯誤しながら取り組んでいます。
それでも、地域通貨「Match」は、様々な可能性があって、夢が膨らんでいます。
例えば、おしごと倶楽部でMatchを稼いだ患者さんが、お見舞いに来たご家族にkitchenとまりぎでコーヒーをご馳走することだってできます。入院している患者さんが稼いだお小遣いでコーヒーをおごってもらうって素敵じゃないですか?
それから、地域通貨「Match」づくりワークショップを開催して、貨幣の仕組みを学べる体験学習の機会にもなるかもしれません。
いずれにしても、地域通貨「Match」は、単に通貨としての役割ではなく、「Matich」を通じて、”健康”や”関係性”などをつないでいく役割を担ってくれるのではないかと期待しています。
まちおかを運営する一般財団法人ひふみ会のVISIONは、
「あなたらしい生き方」を大切にする丘の上
一人一人の「あなたらしさ」を実現していくきっかけとなればいいなと願っています。
ヨリドコ小野路宿について