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片脚立位の何を評価しているのか?~20秒出来るかではなく、3つの視点から考えていく~

1.初めに


私自身が臨床を1~3年目の時には片脚立位が不可=バランスが悪い=中殿筋の筋力低下という判断をしていました。なので、歩行でふらつきのあるような患者さまでは片脚立位の評価していました。それに対して片脚立位の訓練を反復していたり、外転運動をして片脚立位に繋げるように訓練していました。
しかし、これは片脚立位が出来ないという現象に対する訓練であり、そこでの変化がどうような運動や動作に影響を与えるかまでは考えていませんでした。最初は無意識で歩行の安定や転倒リスク評価を目的にしていたのですが、現象だけに捉われた結果片脚立位が出来るかどれだけ長く片脚立位が出来るかどうかだけに着目していました。
その結果片脚立位の秒数が少し長くなる事で『長くなりましたね。筋力がついてきましたね』などの声掛けになってしまっていたのだと反省するばかりで、今思い出してみると患者さまの反応も悪かったです。私の自己満足であったことは間違いないです💦
そこでまずは私自身の失敗体験をお伝えしたいと思います。

私自身の失敗体験
*片脚立位が何秒出来るかにこだわっていました。
→カットオフを超えると転倒のリスクが下がるからという理由だけでした。
秒数だけを見てしまうとどんな形でもOKなのか?しかし、出来ていても少しふらつくと『ちょっとふらつきますね』などといって現象に対して問題点を探していました。

*片脚立位の評価で外転筋力だけに着目していました。
 →片脚立位が出来ない=外転筋力低下だと判断し、歩行時の崩れに関しても同じであると解釈していました。そして、横歩き等で外転筋の運動をするが特に変化がありませんでした。
その時に左右で筋活動を触診していたり、片脚立位になる時の瞬間的な動きを全く見ていませんでした。

*足部のアライメントは見ていたが足趾にまで評価できていませんでした。
→足部のアライメントの崩れや足関節戦略といった部分には着目できていましたが、足趾が支持基底面に影響を及ぼすことまで考えていませんでした。

この失敗体験から私自身片脚立位を評価していく際に何を評価したいのかの明確さと視点の多様化が必要であると考えました。なぜならば、片脚立位が出来るor出来ないではなく、触診等で筋活動の変化を見る、声掛け1つでどのような動き出しをするのか、支持側の筋活動のみでなく遊脚側の筋活動や筋緊張の評価、そもそも裸足で片脚立位を評価していますか?(それに伴う足趾の評価)などの視点が必要であると考えています(図1参照)

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