そっと瞑想
イレギュラーなことが起きた。ぼくにとっては不都合なイレギュラーだ。
当初予定していた計画がその一発で吹き飛んだ。執筆している今、現在進行形で吹き飛んでいる。
突然の電話がかかってきたとき、色々なことがよぎった。
ぼくはその時点で予定していたことに着手していたので、多分その瞬間のぼくはスマホの画面を見てすごい表情をしていたと思う。
「まさか、そんなはずは」
「やめてやめてやめて」
心って本当に動く。
当初の予定は他人も関わっていることだったので、そちらをある程度片付けなければならない。
時間的にはその猶予があったので、まずは当初の予定に一区切りをつけに行く。
ぼくにとってその予定はとても楽しみにしていたことで、それを自ら一区切りつけに行くという道中は本当に荒んでいた。
独り言をずっと呟いていた。なかなかに刺々しい独り言だったと思う。(もちろんTPOは弁えているしマスクはしているので、ぼくの独り言は誰にも聞かれていないと思う)
その刺々しいことばは“イレギュラーな事象”の方向に飛んでいた。外側に飛んでいた。
しかし徐々に落ち着きを取り戻すと今度はその刺々しいことばは自分自身に向いてくる。自分自身を責めないと立っていられないというか、やっていられないというか。
「イレギュラーが起こることは承知の上で選択したのは自分だろ」
「自己責任」
「誰かを責めるのはお門違いだ」
「前を向け前を」
徐々に落ち着きを取り戻したと書いたけど、それは完全に嘘だ。全くもって落ち着いてはいない。穏やかではない。
でも自分を責めていると今度は虚しくなってくる。
その頃には職場付近にたどり着いて、少し空を見上げる。
普段だったら「爽快だなあ」なんて思う気持ちの良い秋の夕空がなんだか爽やかすぎて腹が立ってくる。
でも絶対にその腹立ちを見せてはいけない。当たり前だ。自己責任で、誰にも事情のわからないところで腹を立てているのだから。
職場につく。
だめだ。絶対に顔に出てしまった。絶対に通常時の冷静さを失っていた。
それに気づいて、ぼくはすぐに瞑想を始めた。
約20分間。
瞑想中、たくさんのネガティブなことばが頭に浮かんできて、それをひたすらに流す作業。
瞑想をするとフラットなところに戻ってくることができる。そして過去を過去として受け入れることができ、思考をポジティブな未来に向けることができるようになる。
そこからぼくは良い仕事ができたと思う。
もちろん残念さはあるけど、終わったことは終わったこととして受け入れている。
今日という経験をぼくは買ったのだ。
それで良い。さあ、美味しいご飯を食べてこよう。
(美味しいカニピラフを食べました)