《のどを傷めずに歌いたいあなたへ》
思い当たることがありませんか?
□ 朝、いきなり声を出す
□ ちょっとぐらい、のどが渇いても平気
□ 日頃から、首を出すトップスを着ている
□ 息が浅い
□ 高音を歌うとき、いきおいで歌っている
□ 大きな声がいい声だと思う
□ 肩が凝りがちだ
□ 前傾姿勢で立っている
□ 背中が丸くなる姿勢になりがちだ
ひとつでも当てはまったら、のどを傷めずに歌うために
改善した方がいいサインかもしれません。
特に冬は、ウイルスや菌など、のどを傷める原因が多くあります。
なので、意識してのどを保護したいですね。
どうすればいいのでしょうか。
ひとつずつ見ていきましょう。
◆朝、のどのためにすること
・からだを起こしたら、すぐに深呼吸をする
・歯を磨く
・白湯をゆっくり飲む
起き抜けののどは、無防備。
からだが冷えている朝は特に、のどに負担をかけがちになります。
なので、まずはしっかり温めてあげることが重要です。
◆のどが渇いている
マスク生活が長くなると、のどが渇いていることに気づきにくくなります。
のどが渇いていると、傷つきやすくなり、刺激を感じやすくなります。
こまめな水分補給を意識しましょう。
水分補給には、「水」がもっとも良いといわれています。
のどを潤す目的で飲む場合は、一気に飲むのではなく、
のどを湿らせるイメージで、少しずつ飲みましょう。
◆のどが痛い!は、のどからのSOS
「風邪かな~?」と軽く見ていませんか?
のどが痛い、と感じたら、まず、両方の鎖骨をチェックしてみてください。
①の部分を押さえた時、痛みを感じたら炎症を起こしている可能性があります。
【痛みを軽減する外からのアプローチ】
・①の鎖骨の根元部分を軽く揉む
・手を軽くグーに握り、人差し指と中指で②の鎖骨部分を挟み、
軽く滑らすようにマッサージする
【痛みを軽減する中からのアプローチ】
・からだが熱っぽい。肩が凝っている気がする、
などの症状を感じたら、葛根湯が効果的です。
⇒葛根湯の飲み方
おすすめは、葛根湯顆粒タイプ
50mlぐらいの熱湯で溶かし、ぬるくなるまで水を足し
のどに浸透させるように飲みます。
・のどは痛いけど、ほかに症状を感じない場合
駆風解毒湯
⇒駆風解毒湯の飲み方
ぬるま湯に溶かし、ゴロゴロうがいをしながら
のどに浸透させるように、少しずつ飲み込んでいく
桔梗湯
⇒桔梗湯の飲み方
葛根湯の同じように、溶かして飲む
漢方は、からだを温めて治す、という概念があるため
顆粒のままより、湯に溶かした方が効果が高くなります。
また、薬なので、治ったらやめるのではなく、規定量は飲み切りましょう。
◆首を冷やすと、のどが硬くなり傷つきやすくなる
冬はマフラーで保護。ハイネックのトップスも効果的です。
また、夏は、汗やクーラーで冷えがちになることを忘れないでください。
薄地のスカーフなどを活用してみましょう。
◆息
朝、深呼吸をしたとき、ちゃんと、おへその下3cmの部位まで
息が吸えているか確認してみてください。
日本語は、息を使わなくても話せる言語なので、
自分がどれぐらい呼吸できているか、意外にわかっていません。
歌を歌うときだけでなく、話をするときにも、しっかり息を使う。
これを意識するだけでも、のどへのダメージは、かなり減らせます。
◆高音を必死になって出そうとする
これは、無意識にやりがちです。
勢いがあれば、出るかも…
脳がそのように、覚えてしまっているからです。
高音には、高音を出すためのテクニックが必要です。
勢いだけで出してしまうことで、のどは疲弊してしまいます。
また、「高い音」という意識も、
のどに負担を与える原因になっています。
高音部は、息のスピードと、のどの奥深くや後頭部に響かせる、
周波数の違いがあるだけで、ほかの音と高低はかわらないことを意識して、鍵盤楽器のように、左から右に移動しているだけだということを
忘れないでください。
◆大きな声=いい声?
大きな声、には種類があります。
「自分だけに響いている、地鳴り声」
「のどのおもてだけを使う、noisyな声」
『いい声』とは、響きが備わっている、通りの良い声のことです。
日頃から、マイクを使って練習することをおすすめします。
練習時のマイクに、エコーはかけないように気を付けてください。
また、練習時は必ず録音してください。
そして、その場で聞きなおしてみてください。
そうすることで、力技で声を出している場合、かなり「うるさく」聞こえることに気づかれると思います。
歌うときには、息をコントロールすることが重要です。
息の流れが、音の流れを作り、声をなめらかにスムーズに
響かせてくれます。
歌いたい曲を、リップロールで歌ってみると
息の流れを体感できます。
◆肩こりは、いろんなことを教えてくれる
肩がこる理由は、さまざまあると思われていますが、
ひとつは、冷えです。
血流が滞ってしまっていることが原因である場合がほとんどと
言われています。
また、姿勢が悪いことが原因である場合、歌うときには要注意です。
どちらも、のどへのリスクが高くなります。
● 肩がこる=のど周りが硬くなっている。
歌う前には、必ず、肩周りをほぐしましょう。
・肩を回す
・日頃から、肩(首)を温めておく
・姿勢に気を付ける
などなど、あなたにとって、もっともラクで継続しやすい、肩のほぐし方を見つけておきましょう。
◆前モモが張っていたら、前傾姿勢かも
壁に背中を付けて立ってみてください
無理なく立てますか?
もし、なにか違和感があるな、と感じたら
前傾姿勢になっているかもしれません。
歌うとき、息が通りやすい状態にするために、姿勢が整っていることが必須です。
もし姿勢が悪かったら、それだけで息が通りにくく、
のどに負担がかかります。
そのために、日頃から姿勢を整えておくことが重要です。
【インナーマッスルを鍛える】
肋骨の下に横隔膜が存在しています。
横隔膜を意識しながら、ストレッチをします。
①息をしっかり吐きましょう。このとき、おなかをへこまします。
②息を吸うとき、おなかがふくらまないように、へこました状態をキープします。
これを数回続けてください。
毎日続けることで、インナーマッスルが鍛えられます。
【あやつり人形になる】
立つ姿勢をきれいにするには、
つま先立ちをし、かかとを下ろすとき、頭の上を糸で吊られているイメージで下ろす。
全身鏡でチェックしながらすると効果的です。
【壁にもたれて姿勢チェック】
壁に背中をつけて立ってみましょう。
◆背中を丸めると、息が浅くなる
横隔膜を有効に使うコツは、背中がまっすぐであることです。
インナーマッスルが育っていないと、つい、背中が丸く
肩をすぼめた姿勢になってしまいます。
そのことが原因で、呼吸がしにくくなっていませんか。
たっぷりと息が使えないと、力技で声を出すことになり、
当然ながら、のどが疲弊し傷ついてしまいます。
さいごに
「歌いたいけど、のどが痛くなる。」
これはほんとに怖いですよね。
のどが痛くなる前に、少しでも原因になるものを遠ざけ
傷つけない方法を身に付けておきたいですね。
ボイストレーニングは、悪い癖を改善し、
何歳になっても、ラクに楽しく歌うために活用できます。
今回は、それ以外に
日頃から注意することで、のどを保護し
思い切り、歌うことを楽しんでいただける方法について
まとめてみました。
最初はかなり意識しなければ、「ついうっかり」やってしまいがちな
よくない習慣もありますが、慣れてくると、それが当たり前になり、
よい習慣になっていきます。
また、歌だけでなく、健康にもつながる内容なので、
ぜひやってみていただければ、と思います。
わからないこと、さらに突っ込んで知りたいことがありましたら
遠慮なく相談してくださいね。
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