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あわや遭難 ロードバイク

天気のいいうちにロードバイク、と今日も川を遡上することにした。
どうせならと(なんで、どうせということになる?)、今まで行ったことのないルート、地点まで行くことにした。

順調に進んで行ったが、市街地から山間に入ると道がない。
あるにはあるのだが、川沿いというわけにはいかない。
それでも、なるだけ、川に近いところ、川に出るところと、方向を選んで進んだ。

そうこうしているうちに、本当に山の中に入ってしまった。

本来の水源地を目的地とする趣旨から外れはじめた。
でも、まあ、ここまできたのだから、このまま進み、どこか市街地に通じる道を通って帰ることに方針を変更した。

しかし、どんどん行くと、道の舗装は怪しくなるし、とても自転車を漕いで登れるような傾斜でないところも出てきた。

Google君に聞くと、「現在地は金沢です!」と言いよる。
アホ、分かっとるわい。金沢のどこか知りたいんじゃ!

地図を見ると、ベタ塗りの地域に現在位置が青く光る。
当然、道路の表示はない。
まあ、こんなところまで、Googleカーで調べてないだろうし。そもそも、途中に、この先私有地につき、用のないもの入るべからず、みたいな表示があったもん。

それでも、大体この先にはきっと市街地に通じる道があるはずだと自転車を押しながら登った。

しかし、自転車を押して坂道を登るというのは、結構きつい。息が上がってしまった。
これじゃ、有酸素運動、口呼吸をするためのロードバイクの乗り方ではない。

もう今まで通ってきた道を引き返そうかと思った。
しかし、ここまで来たのだ、もう少し先に行けば、きっと道は開ける。と、頑張った。

行けども行けども、山登り。
だんだん不安になってくる。

よし、あの曲がり角まで行ってみよう、そこで見通しが立たなかったら、引き返そう。なんて決めて進む。

ちょっと舗装がしっかりしている。
よし、このまま進め。
そしたら、また砂利道、泥道。

あかんわ、これは。
でも、作業小屋のようなものがある。
となると、人家が近いのでは。

もう少し行くか。
自転車に乗れるところは、ギア比を最小にして登った。

そのうち、下り道を見つけた。
これだと思って、しばらく行くと、・・・行き止まり。
やむを得ない。分岐点までうんうん言いながら漕いで登る。

少し見晴らしの効くところに出た。遠くに街並みが見える。ただし、どうも谷を挟んだ向こう側だ。
こっちをどんどん行っても、あそこには辿り着けない。

ため息と焦り、多少の恐怖が混じった気分で、ルートを探す。

こんなことを数回(5〜6回か)繰り返しているうちに、空模様が怪しくなってきた。

家に帰り着いた時の空

ここで、雨に打たれ、一晩過ごすとかいうのは、避けたい。
さあ、どうする。
このまま、ルート探索を続けるか、来た道を帰るか。

来た道を帰るといっても、決して平坦な道ではない。
今まで登ってきた道を思い出しても、何度も通りたいと思うような道ではない。

もう少し、ほんのもう少しいけば、ルートが見つかるかも、
Googleでも、人家のあるところまで、そんなに距離があるとは思えない。そこまでの道が見つからないだけだ。
ここまで来たのだ、突破したい。

さて、どうしたものか。
ここが判断力が試されるところ。
下手な判断をすると、冗談じゃなく、遭難という事態もありうる。

ロードバイクの老人、山中にて行き倒れで見つかる。
なぜ、このような山の中をロードバイクで来たのか不明。
なんて記事になって、生涯を終わるなんぞ、アホすぎる。

・・・・・
よし引き返す。
突破よりも、無事帰還の方が価値あり。

引き返す道は、楽かというと、左にあらず。
いくつかの分岐点を通ってきたので、果たしてこの道でいいのか必ずしも確信を持てないところもある。

基本的に下り道だが、そうでないところもある。
大体、山の中の下り道は、ロードバイクでは、危ない。

道は大量の落ち葉で覆われていたり、年中濡れていて、苔がびっしり生えていたりする。
滑るのだ。

そんな道路状況だから、下りといってもスピードは出せない。転倒したり、道路から飛び出したりしたら、竹やら木やらが生えている山腹に転げ落ちる。

必死に、ブレーキをかけるが、連続してかけ続けると、これまた滑る。こまめに、それこそ、痙攣でもしているような感じで、ブレーキ操作をしなければなない。

手がおかしくなった。

10分ほどして、これがきた道だと確信の持てるところまできた。10分というのは、体感で実際はもっとかかっていたかもしれない。

なにしろ、道を見つけるのと、転ばないようにブレーキをかけ続けるのに全力を尽くして、時計を見る余裕なぞないのはもちろん、途中の景色さえよく見てない。

とにかく、市街地に出た。
その後は、川沿いの道なんて見たくもなく、車の迷惑なんぞ気にせず、一般道を走って帰った。

昔、南極観測隊の人が、猛吹雪の中、基地まであと数メートルというところで、遭難されて亡くなったというようなことを聞いたことがある。

数メートルでも、数十センチでも、自分の位置がわからなくなり、安全なところに辿り着けない時は、遭難するということだ。

危なかった〜。
Googleは、自転車には有効じゃないかもな。
特に私のようなルート選択をするものには、Googleカーという車で撮ったデータを元にしているものは、使えないかも。

自転車専用のナビ、買おうかな。
調べると、結構な値段がする。
う〜む、自転車が金がかかるというのは、このことか。

でも、アクセサリー系とか自転車を早くするためのものとかではなく、命がかかっているもんなあ。

ヨメ・ハン皇帝にお伺いを立てたら、訳のわからぬところを走らず、一般道を走れ、と言われるのだろうなあ。

※写真は、帰り道ではなく、まだ余裕のある往路の時に撮ったもの。だから、まだ、最悪な状態の場所ではない。帰り道は、写真を撮ろうなんて余裕は全然なかった。


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