タマ取りバトルロイヤル
実は、この記事、一度はボツにしようかと思ってました。
理由は、ちょっと刺激的、直裁に言えば、人によってはお下品と思われるかもとね。
でも、Makiko Hataさんの下記記事を読んで、投稿することにしました。
もっとも、Makiko Hataさんの記事は、全然お下品の要素はないので、私の記事の中で埋め込まれるのは、心外だと思われるかもしれません。
その時は、ご一報ください。
お詫びとともに、即、埋め込み部分は、削除します。
私の通った小学校は、各学年1クラスの小さな学校で、1年から6年まで、同じクラスメートで過ごした。
中学に入学したら、それまでの小学校のメンバーと異なる、あちこちの小学校出身者とごちゃ混ぜのクラスになった。知っている顔は数人で、あとは初めて見る顔ばかり。
小学校から中学校への環境の変化というのは、私にとっては、かなりのものだった。だが、これは、クラスの他のメンバーも同じ。みんな、戸惑っていたと思う。とにかく、緊張しながら、様子見な状態。
そんな時、誰が始めたかわからないが(あいつだったんじゃないかと思うのはいる)、金玉掴みを始めた。
何かと言うと、言葉そのまま。
誰かのところに行って、いきなり金玉を鷲掴みにする。
やられた方が、「ゴゎツ!」と、棒立ちになって感電したみたいになる(100V以上で感電したことないけど)。「な、何すんじゃ、放せ〜」となる。相手を押しのけようとすると、相手は握った手に力を入れるので、また、棒立ち感電状態で「わっ、ワッ、アワワ」とやっているしかない。
これを読んでくれている女性の方がおられたら、お教えしましょう。
『弱みを握る』と言う言葉がありますが、このことです。
男は、これをやられると、対処のしようがありません。
まさに男の急所。
ここに攻撃を受けた時の痛さといったら、文字どおり筆舌に尽くし難いものです。
本当にどう表現したらいいかわからない。
とにかく、強烈な鈍痛です。
男性諸君なら、わかるはずです。まさに、筆舌に尽くし難いと。
体がでかいとか小さいとか、勉強ができるとかできないとか、運動が得意とか得意でないとか、関係ない。等しく、同じ反応、状態になる。
多分、精鋭を誇る自衛隊のレンジャーでも、ダメだと思う。
握る力が一定ならば、痛みも一定なので、根性ではね返せます。
しかし、握る力を変えるとその度に激痛の程度が変わるので、体が反射的に反応してしまう。
全く、操り人形状態にならざるを得ません。
だから、金玉を握られる=弱みを握られる=相手の言いなりになる、なのです。
やっている方や、側から見ていると、とても面白い(面白かった)。
ひどい話だが、ついこの前まで小学生だったんだから、そんなもんです。
私も、やられた。
もちろん、やり返した。
玉を握られている時は、なんでも言うことを聞きます状態だったが、苦痛から解放され、一息ついてから(すぐ反応できないのです)、飛びかかって掴み返した。おまけに、引っ張ったり、上下に細かくシェイクもかけてやった。
ついでに、2個のクルミを手の中で擦り合わせるように、コリコリとしてやった。これがどれほどに強烈で耐え難いものか、男性ならわかるだろう。
相手は、私より10Cm以上でかい奴だった。
そいつが白目を剥きながら、「アッア・・・堪忍・・アワワ」と言いながら、体をビクンビクンさせている。
「ジャかましい。このッ!」ギュツ 「うわ〜」
オラオラオラ〜とシェイクをかけた。「うゎ、うゎ、うゎ〜。堪忍」
「もうせんか」「せん、せん」
「心かいうとらん。」コリコリ。「うわっ」ビクンビクン。
散々いたぶってから、解放してやった。
ほっと一息ついていると、股間に激痛が走った。「うわぁ〜」
他の奴が横から掴みやがった。私と成績を競っていたやつだ。
「ひっ、卑怯〜」
グッツ
「ウッ、ウワワ・・」
これが、クラスの男子にあっという間に伝染した。
昼休みになると、男子全員参加の玉掴みバトルロイヤルが開催されることになった。
腰を引き、アマレスの試合のような格好になって、相手の玉を狙う。
殴る蹴るは無しという暗黙のルールがあった(いや、私が提案したのだった・・・かな)。
誰かが捕まり、派手な呻き声をあげていると、その捕まえている奴を横、あるいは後ろからまた誰かが捕まえる。
捕まった奴は、激痛とともに掴んでいる手に力が入ったりするものだから、最初に捕まった奴が崩れ落ち、連鎖して捕まえていた奴、それを捕まえたやつと崩れ、その上に次々を覆い被さったりする。
一番下のものは、痛いは、息ができないわで、もう大変。
「離せ、く、くるしい・・」
「そっちが先に離せ・・」
「離した」
「いや、離してない」
「それは、俺じゃない〜」
みたいな感じになって、何がなんやら。
終わった時にはみんな、汗だく、涙目で、ハアハア。
こんなことをやっている男子に対して、女子は『ヤーネえ』みたいな感じで眉をひそめて見ている。その視線が、芽生え始めた春もあって、刺激的。
何を隠そう、私なんかも、ちょっと意識した女子の視線を目の片隅に感じて、勇猛果敢にバトルに突っ込んで行ったものです。
激痛を伴う行為なので、超集中。くんずほぐれつなので、闘争心も刺激し、有り余った中学一年生のエネルギーの発散にはもってこい。その上、春の芽生えも意識できる。理想的な遊びでした。
まあとにかく、みんな夢中になってやっていました。
私はというと、なんじゃこりゃ、中学というのはめっちゃ楽しいところじゃない、と、あっという間に、小学校のことは忘れ、中学に馴染みました。
これが、1週間ほど続いた時、担任の先生から、男子だけ放課後残るよう言われた。
「お前たちは、昼休みなると股間をまさぐりあったいるそうだな。」(いや違います。金玉を掴み合っているのです。)
「9組の男どもは変態だと、他のクラスから言われているぞ。」(変態!)
しばらく、説教されました。
その後、私だけ職員室に呼ばれ、「ルーム長(今で言う学級委員)のお前は、率先したやってどうする。みんなを止める役目だろう。」みたいなことを言われた。(いや、僕は、率先なんかしてま・・・した。)
職員室だから、他の先生もおられる。
叱られながら、周りをちらっと見ると、・・・聞こえているな。
学校中の先生に、知られているのか・・・、あちゃ〜。
クラスに戻って、みんなに宣言した。
「玉掴みは、やめる。今後一切しない。」
「他のクラスのものから、9組の男は変態だと言われるのは、我々の股間に関わる。いや、沽券に関わる。」(後半のジョークは言ってないですが)
今でこそ、変態だろうが何だろうが、当事者が納得しているならそれでいいじゃない。第三者がとやかく言うことでもないし、立ち入るべきでないと考えている。
しかし、小学校出たての子供にとって(それも、今から半世紀以上前のことす。)、変態と言われるのは、殺人犯と言われるくらい、あるいはそれ以上にこたえた。
みんな、了でした。
それまでの1週間で、お互いの弱みを握り合った仲です、気心ならぬ、玉心までわかり合っていたので、クラスの名誉に関わる事態だと了解した途端一致団結しました。
話の途中ですが、エリティンさんが大統領だった時代。
ロシアでは、あらゆる書類に大統領の署名が要るそうな。
しかし、そうなると膨大な書類を全てに大統領が目を通さねばならない。
これは、事実上不可能。
そこで、めくら判ならぬ、めくらサインをする。
そんなことをしていて、ロシアは大丈夫なのかと思うだろうが、そこはうまく運用している。
どうするかというと、こいつは絶対に信用できるという人に書類を持って来させる。つまり、こいつが持ってくる書類は、しっかり考えてあるのでめくらサインしても大丈夫と言うわけだ。
で、このサインをどこでするかというと、サウナで。
エイリティンさんが、素っ裸でサウナで待っていると、書類を持った部下がこれまた素っ裸で入ってきて、サインをもらう。
このサウナに入れてもらえるようになるまでに信用されるようになるのが、大変なのだ。
そして、サインが終わった後、お互いに話し合ったり、金玉を握りあったりしてふざける。
適当なことを書いているわけではない。
かの、佐藤優さんの本にちゃんと書いてある。
これを読んだ時、そう言うこともあるだろうなと私は思った。
ロシア大統領といえば、ロシアのみならず、全世界に影響を与えるようなポジションだ。
アメリカ映画に出てくるような、「同志、それはあなたの責任だ」みたいな感じで、会議でお互いの足を引っ張り合うような状態では、仕事になりゃせん。互いに金玉を握り合うくらいの人間関係、つまり距離ゼロの信頼関係がなければ仕事にならない。
ところで、エリティンさん、大統領になってから、金玉握りを始めたわけではないと思う。それだと、ちょっと引くではないか。
多分、子供の頃に経験があるのだと思う。
しかし、我々9組のように、学校で大ぴらに、かつ、大々的にやったことはないと思う。
その点を考えると、男同士の人間関係構築のノウハウに関しては、我々は世界のトップレベルであったとも言えるのではないか。
我々のクラスは、成績も良かった。常に学年1、2位だったと思う。
学園ドラマのように、お互い頑張ろう!みたいに、できない奴に教えていたとかではない(聞かれたら教えてはいたけど)。
勉強のできるやつばかりが集まったのでもなかったと思う。
学年トップは、他のクラスにいたもの。
また、いじめみたいなものもなかった。
玉取りバトルロイヤルで、組んず解れず、体を距離ゼロに密着して、互いの急所を握りあって、気心が知れた。その結果、新しい環境でのストレスが大幅に減少し、リラックスして中学生活を送ったせいではないかと思う。
どうだろう。
中学生は、入学して最初の1週間は、玉取りバトルロイヤルをやらせるということにしたら。きっと、みんな仲良く団結していい中学生活を送れるようになると思うが。
採用されないだろうな。