Twilight, Dawn, and Dusk(薄明・夜明け・夕暮れ)
Twilight(薄明), Dawn(夜明け), Dusk(夕暮れ)
Twilightというと、バンパイアのドラマを思い出す人もいるかと思う。
どうも復活思想があるせいか、あちらの映画やドラマでは、吸血鬼やゾンビが主題のものがよくある。
私は、あまり得意なジャンルではないので、まだ見ていないが、人気らしい。
ところで、今回のTwilightは、吸血鬼の話ではない。
天文学の話で、純粋に一日のうちでの、特定の時間帯のことだ。
黄昏も夜明けも夕暮れも、みんな知っているし、大体いつ頃かも分かっている。でも、はっきり分かっているかというと、そうでもないのではなかろうか。かくいう私も、同じでした。
Twilight(薄明)は、昼と夜の間だ。
日ので前、日没後、太陽は見えないが、すでに、あるいは、まだ、外が明るい状態の時期だ。まあ、そうだろう。
しかし、黄昏というと、夕方のことを思うかもしれないが、夜明け前のこの時間帯もTwilightなのだ。
さて、天文学では、この時間帯を大体ではなく、明確に定義をしている。
なおかつ、Twilight(薄明)、Dawn(夜明け), Dusk(夕暮れ)も、三段階に分けて、それぞれ区別している。
Twilight
1. Civil twilight (市民薄明)
2. Nautical twilight(航海薄明)
3. Astronomical twilight(天文薄明)
なんじゃそれと思うだろう。
言葉で説明する前にまず、下の画像を見てもらいたい。
太陽が地平線(水平線)の下、
0°〜6° Civil twilight (市民薄明)
6°〜12° Nautical twilight(航海薄明)
12°〜18° Astronomical twilight(天文薄明)
というわけだ。
なぜ、そんな区別をする?
それぞれの状態によって、空や地上の明るさ、従って社会生活や天体観測に及ぼす影響が異なってくるからだ。
Civil twilight(市民薄明)は、薄明の三つフェーズで一番明るい。太陽の光は、空を黄色やオレンジに染め、ほとんどの屋外活動は人工の光を使わなくてもできる。金星や木星のような、最も明るい星が、肉眼で見えるようになる。
いくつかの国では、このCivil twilightの定義を利用して、狩猟や航空、ヘッドライトの使用、街灯に関する法律を定めている。
Nautical Twilight(航海薄明)は、薄明の二番目のフェーズ。
地平線(水平線)と最も明る星の両方が見える。
したがって、代表的な星と水平線の位置がわかる。
このため、昔は、船乗りは、この時間帯を使って操船した。
これもあって、この名前がついている。
また、航海のとって重要であるだけでなく、軍事的な意味合いを持っている。例えば、アメリカ軍は、戦術作戦を計画するために、朝の航海薄明(BMNT)と夕方の航海薄明(EENT)の終了という用語をを使用しているという。
Astronomical Twilight(天文学薄明)は、夜明けの最初、夕暮れの最後のスステージだ。肉眼では、特に人工の光による光害があるところでは、夜との区別がつきにくいかもしれない。
ほとんどの星や天体が見えるようになる。
しかし、天文学者が暗い星や銀河を観察するためには、太陽が18°以下に沈まないとできないかもしれない。これが、この時期の名前の由来だ。
天文学的な夜明け前と天文学的夕暮れの後は、天文学夜(astronomical nighttime)だ。間接的な太陽光は見えず、天候が良ければ微かな天体も見える。
緯度のよる影響
実は、このTwilight(薄明)は、緯度や時期によって長さが違う。
赤道付近や熱帯地方では、高緯度の地域よりも薄明が短くなる。
太陽が正午に真上にある場合、赤道付近では、太陽が水平線を90度の角度で横切るため、昼夜の移り変わりが早く、薄明の時間は比較的短くなる。
例えば、赤道に近いエクアドルのキトでは、赤道直下の日の出の約45分前から薄明が始まる。
反対に緯度の高い、ニューヨーク(北緯約40度)とウェリントン(南緯約40度)では、春分の日、薄明が始まってから日の出まで約1時間、オスロ(北緯約60度)と南極大陸最北端(南緯約60度)では、同じように1時間35分ほどかかるらしい。
また、高緯度の夏季には、日没後の天文薄明と日の出前の天文薄明の区別がつかないことがある。これは、夜間に太陽が地平線の下、18度以下になることがないために起こる現象が。
同様に、高緯度地域では、市民薄明と航海薄明が長く続くことがある。
極昼間と極夜の移行期には、長い薄明の時期がある。
秋に太陽が地平線の向こうに消えてから、日毎にゆっくりと沈んでいき、約2週間の市民薄明となり、その後、同じ程の長さの、航海薄明と天文薄明が続くという。
春になると、これと逆の現象が起きる。
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