記憶の余白に思い出を。


8月が終わる瞬間を、人々はなぜこんなにも意識するんだろうか。今日は8月最後の日曜日だ、なんて言われていたくらいには、8月という存在をみんな名残惜しんでいるし、終わっちゃうなあっていう余韻を噛み締めている。この特別感は、何ぞや。と思いつつ、わたしもそんな余韻を少し噛み締めていた。

いつもの日常が大きく変わった今年の夏。記憶の余白に思い出を描くことなんてできるのだろうか。それでもなんだか振り返りたくなるのが夏の凄いところで。何もしなかったなあ〜な夏も、花火はしたなあ〜な夏も、全部ひっくるめて全部夏である。何もしなかったなあ〜の夏の人が世の中ほとんどかもしれない。

それでも、セミの鳴き声を聞いて、あの眩しすぎる太陽の下を歩き、汗を必要以上にかいたのは、紛れもない夏模様の中で、しっかりと世の中の人達みんな夏をしていたよな、と思う。

来年の夏の終わりには、楽しい夏の思い出を振り返ることができればいいな。そんなことを願いながら9月をお出迎え。わたしは季節の移ろいを肌で、匂いで、視覚で感じるだけでいつも楽しい。次は年末へのカウントダウンが少しずつ始まるのだろうか。気が早いかな。なんて言っている間にも時は進みゆく。


このいつもと変わってしまった日常すらも噛み締めて、握りしめて、過ごしていきたい。


#ショートストーリー #日記 #エッセイ #詩 #ひとりごと

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