タデイ・ポガチャルの異次元の戦い
推しのプロ選手がいることは、自転車レースへの興味や機材への関心、さらにはトレーニングやスキル向上のモチベーションに非常に良い影響を与えます。私の推しはレムコ・エヴェネプール選手とデミ・フォレリング選手です。二人の魅力についても書きたいと思いますが、今回は偉業を成し遂げたポガチャル選手について2024年を中心に少し書いてみました。
史上3人目トリプルクラウン達成
タデイ・ポガチャル:異次元のオールラウンダー
タデイ・ポガチャルは、現代ロードレース界のオールラウンダーの頂点に立つ選手です。クラシックでは最強ルーラーのマチュー・ファン・デル・プールと、ツール・ド・フランスでは最強クライマーのヨナス・ヴィンゲゴーと異次元の戦いを繰り広げ、異なる脚質の最強ライダーたちと渡り合うその多様性が、彼の凄さを際立たせています。細分化される現代のロードレースで、これほど多岐にわたる競技で勝ち続けるのは野球で言えば大谷翔平の二刀流のようなかんじ?
ポガチャルの多様性を例えるなら
陸上競技に例えると、マチューが1500mや5000mで強く、やり投げや棒高跳びも得意なのに対し、ヴィンゲゴーは100mのスペシャリスト。そしてポガチャルは10000m、5000m、3000m、1500m、さらには400mや100mでも強い、全てのトラック競技でトップレベルの選手と言える。例えなので異論はありそうっw
スロベニアから世界へ
ポガチャルは人口約200万人の小国スロベニア出身です。日本で言えば長野県くらいの人口規模ですね。2018年、若手の登竜門「ツール・ド・ラヴニール」で総合優勝を果たし、翌年にはUAEチームエミレーツと契約してワールドツアーに進出。2019年にはブルエタ総合3位という結果を出し、2020年と2021年にはツール・ド・フランスで総合優勝を果たしました。早熟の天才ライダーでここから永遠にポガチャルの時代だと思いました。
2022年・2023年の挑戦と2024年の偉業
しかし2022年と2023年、ポガチャルはヴェンゲゴーに連続で敗れてツール総合2位となりました。一瞬の輝きあるいはステージでの強さを見せつけながらも、バットデイなど含めて総合で敗れるという。いま振り返ればそれは2024年にむけたドラマチックな展開の布石だったのではないかとすら思います。
ツール・ド・フランスでのた熱い戦いはぜひNetflixでドキュメンタリーをみてください。最高です。2022年(シーズン1)、2023年(シーズン2)
2年連続でのツールでの敗北を経て2024年にはダブルツール(ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスの2冠)に挑戦し、マルコ・パンターニ以来の偉業を成し遂げました。
さらに、ジロ、ツール、ロード世界選手権を同年に制覇するトリプルクラウンも達成し、エディ・メルクスやステファン・ロッシュに並ぶ史上3人目の達成者となりました。
もし2022年2023年のツールも勝っていたら、あるいは連続記録を維持するためにトリプルクラウン達成が目標になってなかったかもしれない。どちらが優れた記録なのかではなく、常に前を向いて挑戦し続けることは素晴らしいなという話ですね。
同じバイクに乗ったら速く走れるかも?(なわけないw)
3,300,000円ですか。。。
2024年の戦績とドラマティックな勝利
ストラーデ・ビアンケ優勝
あらかじめ宣言したアタックポイント(残り81km)で攻撃し、そのまま勝利するという圧倒的なパフォーマンスを見せました。まじでモンスター
そしてこのレースでポガチャルは165㎜のショートクランクをセットして登場ということで!ショートクランクが注目されることに
リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ優勝
とんでもない長距離砲炸裂で、マチュー・ファン・デル・プールをも打ち負かし、リエージュでも勝利。無敵か!
ジロ・デ・イタリア総合優勝
ジロ第一週目が終わった段階で総合2位と2分以上差がある状態で、この時点でもう総合優勝確定の空気がただよっていた。個人的には第7ステージの個人タイムトライアルが衝撃でした。
第二計測地点まではガンナが圧倒的な速さを見せ、ポガチャルに対して40秒以上のリードを持っていました。体重85kg近いガンナも、登坂区間ではしっかりと健闘し、トップ10に入るタイムを記録。この時点で解説者も「ガンナがステージ優勝間違いなし」と名言し、ガンナ本人も笑顔で勝利を確信していました。
しかし、ゴールまで残り300mの地点でポガチャルが画面に登場すると、なんと20秒近くリードしていたのです。この瞬間、ガンナの無表情が画面に映し出され、解説者も驚きを隠せませんでした。
結果としてポガチャルは17秒近くのリードで優勝。このTTステージはセンセーショナルな結末を迎えました。ポガチャルはわずか3kmの登坂で1分以上リードを奪い、しかもガンナより20kg以上軽いにもかかわらず、同等のパワーを維持しての勝利はまさに異次元のパフォーマンスでした。
最終的に総合優勝で2位に9分56秒差をつける異常さ
ツール・ド・フランス2024
ポガチャルは2年ぶりにツール・ド・フランス総合優勝を果たし、ヴィンゲゴーとの激戦を制しました。ポガチャルだけでなく、多くのドラマがあった大会で、印象深いステージも多かったです。
俺的トップ3(2024年ツール・ド・フランス)
第1位:バルデ選手の勝利(第1ステージ)
この10年ずっと戦ってきた選手で、最高で総合3位でずっと総合10位以内とフランスの期待を背負い続けてきた選手で今年(2024年)で引退を発表してた。そのバルデ選手が初日ステージでチームメイトと逃げを決めて勝利したのが僕が今回もっとも感動した瞬間でしたね。
そもそも逃げで勝ち切ることの難しさもありますし、残り30㎞でチームメイトのファンデンブルークと2人でメイン集団との闘い。バルデを勝たせて初のマイヨジョーヌをって感じでロードレースの素晴らしさが全部つまった展開でしたね。第1ステージからうるうるしました。
第2位:ポガチャル、ヴィスマを粉砕(第19ステージ)
ヴィンゲゴーのアタック前待ち戦略をかましたヴィスマであったがヴィンゲゴーの調子があがらす、前待ちのヨルゲンソンのステージ優勝に切り替えるが残り9㎞からポガチャルアタックで全員食い殺す展開。最後のヨルゲンソンには粘ることもゆるさねーとばかりにダンシングで一気にぶち抜きなど...従来であれば不要と言われそうな圧倒的な勝利ではあるが、観ていて楽しいしかっこよかった。
第3位:UAEポガチャル最大の犠牲者Aイエーツ(第14・15ステージ)
(第14ステージ)
レース前に頑張ればステージ優勝できるかもねとポガチャルにささやかれ!レース終盤にいまだアタックしろと!ポガチャルに指示されてアタックする!当然Aイエーツは勝つつもりでアタックするわけであるが、その後ポガチャルがアタックして前待ちで使われるなどw(チーム戦略としては成功したが、その後のAイエーツのインタビューがおもい。
(第15ステージ)
ポガチャルは事前に今日はアタックせず他チーム様子みながら慎重にいこうと提案。実際途中まではヴィンゲゴーについていくが。。。結局ポガチャルアタック。
アタックすることをやめられないポガチャルにまたもAイエーツのインタビューがおもろいという。
ポガチャルのスター性と人間味
タデイ・ポガチャルの魅力は、戦績だけにとどまりません。彼の戦い方は常に積極的であり、アタックされた際には即座にカウンターを放ち、ライバルを圧倒するその勝気さが彼の特徴です。また、ポガチャルは全てのレースに全力で取り組むため、時には失速し、バッドデイ(調子が悪い日)を経験することもありますが、その人間味あふれる姿がさらにファンを引きつけるのかなと
彼の陽気なキャラクターや、失敗を恐れない挑戦心、そして戦う姿勢が、多くのファンに愛されており、アンチが少ないことも彼のスター性を物語っています。
ポガチャルは、ただ強いだけでなく、その存在自体がロードレースを観る楽しさを倍増させてくれる、まさに時代を象徴するスター選手と言えるでしょうね。
そしてイル・ロンバルディア2024 も圧倒的な強さでかってもーたの話を追加
関連リンク
タデイ・ポガチャルの戦績を見る
陽キャについてはっておきます(笑)