【子育て】ふとんの上は闘いの場でもある話
子どもと寝ると
エリアの争奪戦は
必ずおこる闘い
寝るまえに頭の位置を指示して
足の向きもこちらだと伝え
気をつけの姿勢を維持してもらうように
なんなら手も足もピシッと伸ばして
寝てもらう
大人の方がからだが大きいのだから
ふとんを占める範囲を多めにとり
同じように頭の位置 足の位置を決め
ゆったりと眠りにつく
夜中にふと目を覚ますと
ふとんの隅に自分のからだがあり
柔らかさ感じていたはずの背中は全体が浮き上がり
代わりに左側面のからだがそれを感じる
背中に迫る子どもの足先に
恐怖を感じ振り返ると
自分のからだに対して
垂直に横たわったこどもを発見する
わたしは
ちょっと失礼させていただきますと
少しの場所をお借りして
からだを小さくして
寝ているような状態だった
あんなに寝るまえに
場所を確保したのに
数時間で争奪戦に負けてしまっていた
子どもの足の向きを
自分と平行に戻し
ちょっとやそっとじゃ
わたしのエリアを侵略できない程度に
端っこに追いやり
またゆったりと眠ろうとする
しかしすぐに反撃にあう
足を高くあげて
わたしのからだの上に
ガツンと落としてくる
容赦ないかかと落としに
悶絶しながら
やり返すわけにもいかず
優しく足をもとに戻してやる
今までも夜中に襲撃されることは
たくさんあった
かかと落としは慣れたもの
顔面を頭突きされたり
足でボコボコに蹴られたり
パンチされながら端に追いやられたり
たまに音波攻撃もある
やり返せないから
枕やクッションで
防壁を築き
守りの体勢にはいっても
難なく乗り越えてくるパワフルさ
攻防が何年もつづくと
ちょっとやそっとじゃ起きないという
強い精神を備えることができるようになる
たまに目を覚ますことなく
朝を迎えることができる
ただその代償として
動かずじっと耐えたからだは
バキバキにかたまって
疲れたまま目を覚ますことになる
子どもは自由に夢のなかと現実で
走りまわり飛びまわり
朝を迎える
今日も元気ならそれでいいかと
たくさん寝てくれたことを喜び
「朝だよおきて」と声をかける