セーラー服と機関銃 卒業 - 橋本環奈の「性能」を引き出した最初の作品
もしかして化けるかも。そう予感させる演技が一ヶ所以上あり、そこを観るためだけでも価値がある。橋本環奈の「性能」を引き出した最初の作品。「どうせアイドルでしょ?」の先入観をぶち壊す。
(※2017年鑑賞当時の感想)
Twitter論客の某氏の二番煎じになってしまうが、拳銃で人を殺そうとする時の表情。
まさか経験あり?とさえ思わせる妙にリアルな顔の演技。愛する人を撃とうとする時の愛憎入り交じりつつも覚悟を決める表情がうまい。本当に人が人を殺す時はこういう表情するのではないだろうか。
撮影当時16歳。しかも肩書きが「アイドル」で「俳優(女優)」ですらない。正直言って彼女には先入観があったからその規格外の演技に心底驚かされた。
物怖じしない環奈の堂々たる佇まい。なんだか“普通じゃないオーラ”が漂う。
こうした点は将来大化けする可能性を感じさせるに十分すぎる。彼女は本当にローカルアイドルのメンバーなのかと。そして、セーラー服がものすごく似合う。これ結構大事な点。
全体として荒削りなのはキャリア的に当然であって、意図せずともアイドルの頂点を極めた環奈がここまで本気でやる凄み、人間としての振れ幅の大きさこそが何よりも見どころなのだと思う。
普通の演技なら演技派の役者に任せておけばよく、環奈にしかできない役がありそうだ。
小柄で美少女。でも強気で堂々としている。かつ普通のシーンでは普通に可愛いJK組長という独特な雰囲気が出ている。
作品としても荒唐無稽な話になり過ぎない絶妙なバランス感覚の佳作。
鑑賞年月日
2017年
評価点数
3.5
作品情報
『セーラー服と機関銃 卒業』(日本 2016年)
監督:前田弘二
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