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Yononakaレポート㉝「なまえ」

スクールで月1回開催している「Yononaka」
今回は「なまえ」というテーマで計24名でYononakaを創りました!(小学生10名、中学生6名、高校生2名、大学生1名、社会人5名)

冒頭でテーマについて補足説明をしました。イメージしやすいと思い「なまえ」にしましたが、厳密には「名」です。

「じゃらし」「ぽち」のような固有の名前だけでなく、「ねこ」「いぬ」といった動物名など、名詞に関するワークです。それらの名はどうやって付けられたのでしょうか?

たとえば「ねこ」は、諸説ありますが「寝る子」からきているそうです。もし違う由来だったとしても「名は昔の誰かが付けたもの」と考えられると思います。

今回はそういった呼び名、当たり前によばれている「名」について疑いの目で考えていこうというワークです。

名を疑う?どういうこと?
と思うかもしれませんが、いまから話していきますね!
まずこれはなんですか?

自転車!
自転車!
ちゃりんこ!
ばいく!
自転車!

なるほど。さっそくいろんな呼び名をあげてくれました。他にも「のりもの」だったり、ジムに置いてあると「トレーニングマシン」と呼ぶこともできそうです。
自転車と呼ぶとして、そしたらカゴを外したら何になりますか?

まだ自転車と呼べるかなぁって感じ?そしたらこうなると?

もう自転車とは呼べなさそう?これは?

自転車とは呼べなさそうですね。
そうしたらどこまでが自転車だったんでしょうか?そう聞いても、みんながみんな「これ!」という答えは出なさそうですよね。

このように、ぼくたちがよく知っている「自転車」という言葉も、実は固定された意味があるわけではなく、それぞれの人が感じる「自転車らしさ」によって変わるものです。そういう意味で言うと「名」はひとつの見方であり、必ずしもそうであるとは言えないと思います。

同じものを見ても、どの名前で呼ぶかは人それぞれ違ってくる。これを踏まえてひとつ目のお題を考えていこうと思います。

お題①「いろんな呼び名で言ってみよう」

まずは「袋」。ひとりひとり個人で考えて、できるだけたくさんの呼び名を、1分間チャットで入力していきました。

参加者の回答はこちら。

次はコップで2分間行いました。

2回目の方がイメージを広げた回答が多かったです。連想が行き過ぎている人もいましたね(笑)


いろんな名がでました。それらはどの場所にあるか、あるいはどの状況で使うかによって変わってくると思います。

人の名も同じで、例えば社長や先生も、家では父親、実家では次女、違う学校では生徒として学んでいるということがあるかもしれません。ずっとえらいわけではないと言えるでしょう。

しかし、同時にいろんな視点で人を見る、あるいはモノを認識するのは簡単ではありません。それはこのイラストを見ると実感が湧くと思います。

少女にも、おばあさんにも見えるイラストです。しかし、一度に両方は見れないと思います。同時であるようで、実際には頭の中で高速に切り替えて見ていると思います。

このような切り替えは、アタマの使い方も同じようなことが言えます。大きく「スピード(情報処理)」と「イメージ(情報編集)」の2つのモードに分けられると思いますが、この2つの動きを同時にすることは難しいです。
学校などで「自分で考えて、早くしなさい!」と言われることがあるかもしれませんが、それはとても難しいこと。イメージを広げて新しいアイデアを生み出すためには、時間に追われない環境が大切です。そして、Yononakaはこの「情報編集」を、主にトレーニングする時間です。

お題②では、さっきよりも「イメージを広げる」ことに挑戦してみましょう。各グループで、それぞれ「小説」「建築」「博物館」「傘」という言葉について、その連想を広げてみてください。

お題②「言葉のイメージを広げよう」

各グループ4,5名で、言葉の連想を広げていきました。8分間でさまざまワードが出たと思います。

まず1人1つの意見を共有しましたが、その後に他の参加者の意見を聞いて「こうゆう意見もある!」「これはどうかな?」と連想が広がっていきました。まさに「脳がつながる」時間になったと思います。

このあと休憩を挟み、後半へ。

前半は、さまざまな呼び名を出したり、言葉の連想を広げたりしましたが、基本的には既に知っている言葉を共有する時間でした。後半では「新しい名前」を発明してもらいたいと思っていて、そのテーマは「感情・気持ち」です。

参考として、プルチックの感情の輪という感情の分類表を紹介します。これを見ると、いろいろな感情があることがわかりますね。

実は私たちが日常的に使っている言葉の中に、このどの感情も表せる言葉があります。それは

みなさんもよく使いますよね。私も使います。決して「やばい」を使うことが悪いわけではありません。むしろ、「やばい」という言葉を最初に言い出した人はとんでもない発明家だとも思います(笑)
ただ、この言葉ばかりを使っていると、だんだん感情の表現が乏しくなってくるでしょう。対面であれば「やばい」という言葉の中でもどの感情か、相手が読み取れるかもしれませんが、オンラインや文字でのコミュニケーションでは、「やばい」は単に「やばい」として受け取られてしまいます。それではうまく自分の気持ちを伝えることができません。

これまでのYononakaでもたびたび話していますが、これからはロボットやAIと共に生きていく時代がやってきます。その時に、人間が持っている特別なものはココロとカラダ。それによって「感じる」ことができるのが人間の特徴です。それを踏まえて、最後のお題では自分の中にある微妙な感情について考えていきたいと思います。

ワーク③「自分の中で感じる微妙な感情にぴったりな新しい名前を発明しよう」

最初は難しそうにしていましたが、グループのなかの誰かが答えると連鎖してつぎつぎ答えていたのが印象的です。
また「名前を付けたい感情は浮かぶけど名前が出てこない」という参加者に対して、他の参加者が「この名前はどう?」と提案し、「これでいこう!採用!」というやり取りが何度もありました(笑)

最後に今日の振り返りを行いました。
社長や先生もずっとえらいわけではない、とあえて「えらい」という言葉を使いましたが、そもそも社長や先生ってえらいのか?と疑うことも必要だと思います。

社長や先生は、役割の名です。肩書きとも言います。
どんな役割なのかというと、これも厳密にこれとはいえない。その会社や学校によって変わります。もっというと、社長と呼ばない会社、社長がいない会社もあります。そういった視点でもぜひ考えてみてほしいと思います。

参加者の感想の一部を以下に記します。
・お題③が今までで一番難しかったです。
・小説は漫画の絵をなくしたバージョンという意見が印象的でした。
・自分では思いつかないような意見がでたのが印象的でした。
・怖見という名前の付け方が印象に残りました。
・友だちが渾身のギャグをして面白くなかったときの新しく生み出した名前が、先人の知恵というのが面白かったです。(笑滑もストレートすぎるが)
・オロナキが一番印象に残った。一回聞いたときはどこから取っているかわからなかったけれど意味を聞いたらとてもシンプルで印象に残った。

授業レポートは以上になります。
次回は「チーム」をテーマに、参加者同士コミュニケーションを取りながら考えていきたいと思います。

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