ゆとりをもって生きる
(中学生向け極意塾:今の私が中学生だった私にアドバイスするというシリーズを掲載しています。)
昔、法然上人という知恵者がいた。
この人の言葉は何度思い返しても味わい深い。
「一丈の堀を超えんと思わん人は、一丈五尺を越えんと励むべし。二間の堀を超ゆるのに、二間と思いて、ゆるく跳べば、堀の中に落つるなり。」(法然「勅修御伝」)
(……3mの堀を超えようと思うなら、その1.5倍の4.5メートルの堀を超えようと励め。3.6mの堀を超えるのに、3.6mだと思って、ゆるく飛べば、堀の中に落ちてしまうものだ。)
私は、この言葉を何度思い出したかわからない。数千回にもなっているだろう。
ものごとを行う時のゆとりをどう生み出すか!?……ここに極意中の極意が示されているように思われる。
例えて言えば……
・10分で着く所に行くなら15分前に出発する。
・1時間で出来る作業なら1時間半かけて行う。
・10万円の予算の旅行なら15万円用意する。
・60点で合格なら90点取れるように準備して臨む。……
他にも、この術を応用する場面はいくらでも有ると思います。
いわゆる「余裕率をかける」という技だ。
私は、もともと時間も金も乏しく(笑)、いつもギリギリの暮らしが多かったものだから、いつの間にか最小の行為で済ませる術に心が向いていて、何でもギリギリ間に合わせようとする癖があったことに氣付いた。
そうやって、わざわざ自分でストレスを作り出していたのだ(笑)。
それもまたひとつの生き方だし、そうせざるを得ないこともあるだろう。
しかし、そんな心の習慣は初めから持たないほうがいい。
何事にも多少のゆとりをもって生活できるようにしたほうがはるかに賢い。
これは、極意塾投稿No.288に記している。