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能(脳)力を高めるには、「関節」を使ってはいけない(前編)
こんにちは。米川(@yoneshi0320)です。
これから求められる人材、「バフ人材」。彼ら彼女らが発揮する「バフ(=チームの能力を最大限発揮させる行為)」に関するnoteです。
バフ人材?という方は、まずはこちらから。
今回はバフの発揮に必要な要素、「レパートリーを増やす」について
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25秒でわかる、要約
・知的生産活動のアウトプットには、脳力が大切
・脳力とフレーム(思考の枠)の関係は、筋肉と関節の関係に似ている
・日頃はフレームを使い、脳力をあまり使わなくてもアウトプットしている
・効率やスピードが求められる仕事には、むしろフレームを積極活用する
・フレームを使いたくなるのは、脳が最もカロリーを消費する臓器だから
・脳力を高めるには、①自分のフレームに気づき、②使用を意図的に封じる
・①②の具体的な方法は、後編で解説
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つよくなりたい。
仕事で(圧倒的に)アウトプットを出せる人に、いつだってぼくたちは憧れます。特にぼくのように、企画やプロジェクトなど「知的生産能力によってアウトプットの質が左右される仕事」は、なおさらです。
そこで今回は知的生産能力、つまり「脳力」について、解説します。
ボディメイクの極意
ひとは「関節と筋肉の連動」で、ものを早く大きく動かせるようになっています。両者で負荷を分散し、てこの原理を使うため、ものを動かせるのです。
しかし筋トレの目的は、(それぞれですが多くは)筋肉を大きくすること。ゆえに、筋肉にのみ負荷をかけたい。また、関節に負荷がかかりすぎると、軟骨摩耗で痛みが出る恐れもあります。
ではどうするかというと、ベンチプレスであれば、手首・肘・肩の関節をロックし、胸と背中の筋肉の収縮のみでバーベルを上下させます。
つまり、関節の助けをゼロにすることで、筋肉を100%に近い状態で働かせる。
筋力を高めるには「効率的」。しかし全体的には「非効率」が、理想の筋トレです。
関節に頼りすぎてない?
翻(ひるがえ)って、私たちは仕事でも、ついアウトプットを出すのに関節を使っています。たとえば、「他社で採用された提案書の構成を使う」、「良いアイデアが出た会議のアジェンダを再利用する」など。
これ自体は全く悪いことではなく、効率やスピードが重視される仕事※の場合は、どんどんこれら「フレーム(=思考をショートカットするための枠)」を駆使することが推奨されます。
※例:Excelのデータをグラフにし企画書に転記する。会議の日程を全員で調整する、など。
しかし、「新しい企画」や「全社初のプロジェクト」のように、クオリティが求められ、かつ過去のフレームがあまり役立たない仕事の場合には、本来の「脳力」のみが頼れる相棒です。
また、関節に頼った仕事ばかりをしすぎると、脳力は成長せず、いつまで経っても単価の低い仕事しかできません。
脳の燃費は最悪
そうはいっても、慣れ親しんだフレームはつい使いたくなるもの。
そもそもなぜ、ぼくたち(の脳)は、フレームを使いたがるのでしょう?
ひとの臓器で最もカロリーを消費するのは、脳です。重さ比率(=脳の重さ/体重)がたった2%なのに対し、消費カロリー比率(脳の消費カロリー/1日あたりの消費カロリー)は約20%を占めています。
こんな脳に、ずっと負荷を与え続けていたら(=思考させ続けたら)、カロリーが足りなくなり、ひとはすぐ弱ってしまいます。
ゆえに、なるべく思考を簡略化させる(=省エネの)ため、心理学でバイアスやヒューリスティックとも呼ばれる「フレーム」を生み出し、使いこなすのです。
で、どうすれば高まるの?
感のいいあなたは気づいていると思いますが、脳力を高めるには①フレームに気づき、②その使用を意図的に封じるのが必要です。
ぼくがこれまで一緒に仕事をした一流コンサルタントの方々は、世に通じる一般的なフレームから、最終的にオリジナルのフレームを生み出していました。
おそらく彼ら彼女らは、フレームに気づき使用をあえて封じることで、脳力が高まった結果、そのフレームの進化に成功したのだと思います。
とはいえ
フレームを使わずに考えるのは、最初はきっと辛いです。「なんでこんなことしなきゃいけないんだろう」と、ぼくも毎回思います。
しかしだからといって、フレームに頼ったままでは、あなたに明るい未来は約束できません。
なにも、一流コンサルの領域まで到達する必要はありません。が、脳力が高まっていくと必ずアウトプットの質が上がり、きっと仕事自体が愉しくなる。これは、必ず約束します。
そして大事な「脳力の高め方」は……後編に続きます。
まとめ
・知的生産活動のアウトプットには、脳力が大切
・脳力とフレーム(思考の枠)の関係は、筋肉と関節の関係に似ている
・日頃はフレームを使い、脳力をあまり使わなくてもアウトプットしている
・効率やスピードが求められる仕事には、むしろフレームを積極活用する
・フレームを使いたくなるのは、脳が最もカロリーを消費する臓器だから
・脳力を高めるには、①自分のフレームに気づき、②使用を意図的に封じる
・①②の具体的な方法は、後編で解説
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次回後編は2021年11月13日(土)更新予定
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