大きな組織の初心者が、最速で信頼を獲得するには?(後編)
こんにちは。米川(@yoneshi0320)です。
これから求められる人材、「バフ人材」。彼ら彼女らが発揮する「バフ(=チームの能力を最大限発揮させる行為)」に関するnoteです。
バフ人材?という方は、まずはこちらから。
本noteは、先日投稿した『大きな組織の初心者が、最速で信頼を獲得するには?』の後編です。
前編が未読の方は以下よりどうぞ。
30秒で読みたい人のための要約
これからのwillの話をしよう
前回の結論は、「(大企業など)大きな組織に新しく入る人ほど、最初は“周りの能力を発揮させること(=バフ)“に注力したほうがいい。」
では、その具体的な発揮のしかたは?
結論からお伝えします。
相手のwill (=自分らしく、したいこと)を聴き、考慮して、一緒に仕事をする。
それだけです。
……拍子抜けですか?
でも、きっと、多くの人ができていないはず。
それは聞いていない、のみならず、たとえ聞いていたとしてもwithout ”Judgement”(判断しない)の難しさにあります。
恥部をさらしても平気か?
昨年、「人事領域への貢献」を表彰する「HR award」を受賞した書籍、『LISTEN―知性豊かで創造力がある人になれる―』。
その監訳を務め、自身もマッキンゼーやほぼ日を経て現在スタートアップの役員である、篠田真貴子さん。
彼女が昨年あるカンファレンスで語っていたのが、「きくこと」の難しさとトレーニングの必要性です。
あなたも、思い当たる節は一つや二つではないでしょう。
井戸端(いどばた)会議の、文化人類学的有用性
最近はめっきり減りましたが、会社のカフェスペースや保育園の送り迎えなどの場面で行われる、井戸端会議。
一見理由も謎な行為ですが、「人類が集団で生活する上で、必要不可欠だった」が、文化人類学的の定説です。
約1万年前の狩猟民族時代、集団においてもっとも警戒すべきは「他の部族からの襲撃」です。その時代の人類の頭骨には、左側に穴が空いているものが多く出土。これは石や斧を使った相手の右手で殴られ、死亡した事実を表します。
ゆえに、
「昨日、北の森で不審な人影を見た。」
「川に焚き火のあとがあった。」
「隣の集落が3日前に何かに襲われたらしい。」
危機を察知する仲間が多く、かつ情報を活発にシェアする集団は生き残り、そうでない集団はことごとく滅ぼされたのです。
「ほらね?怖くない。」
翻(ひるがえ)って、現代の組織でも上記の理由から、ぼくたちは本能的に新参者を警戒します。ゆえに、自分の身の潔白を証明するため、儀式としての自己開示を行うのです。
入社後の全社での自己紹介、各現場を回る研修期間、歓迎会という名の飲み会、お客さん先への挨拶回りetc…
一見本人には無駄にも思える時間。ですが、「集団に害をなす存在ではない証明」を怠ったがゆえに、後ろから文字通り刺される。戦国時代の武将や大名など歴史を見れば、一目瞭然です。
いくつもの集団の交わりで生きている
また個人の側から見ても、「この集団から得られるものは、自らが所属する他の集団に利益をもたらすか?」を常に考慮します。
たとえば、家庭や友人といった集団からの承認欲求を満たすために、有名企業や福利厚生が良い会社に入る。他人からみて賛否はありますが、自分のwillとしてあるのならば、なんら後ろめたく思う必要はありません。
人間は社会的な生き物だからこそ、所属するいくつもの集団でのメリット・デメリットを総合的に踏まえながら、生きています。だから相手にとって、自分のwillを叶えてくれる存在は、自分が社会的に生存する確率を上げてくれる、一種のメシア(救世主)なのです。
外堀を埋める、ってこと
とはいえ、いきなり「あなたのwillを教えてくれ!」を聞くのは、勇気も要るでしょう。さらに聴いたとしても、恥ずかしさや警戒から、軽く流されてしまう可能性もあります。
そこでぼくのおすすめは、『その人の周囲の関係者(=ステークホルダー)へ聴く』です。
相手の上司や同僚、仕事で関係のある部署の人へ、「XXさんのやりたいこと/目標は何ですか?」と聴く。特に上司の方はMBO (目標設定)をしているので、案外すんなり教えてくれます。
慣れてくれば、続けて「ちなみに、〇〇さん(=あなた)のやりたいこと/目標ってなんですか?」と、ヒアリング相手にも聴く。一石二鳥です。
ただしここでの留意点は前述の通り、without judgement(判断しない)です。
『邪悪』にならない
仕事で相手のやりたいことを聴く。それに合わせて、仕事の進め方や、一緒にやるプロジェクトのテーマを変える。
最初はきっと、自分のやりたいことができないのでは?と不安になります。しかしいつだってぼくらは、「自らの利益のためだけに他人を利用する人」を、恐れ、警戒し、拒絶する。あなたに素晴らしい才能やスキルがあっても、発揮されなければ、世界に存在していないのと同じです。
あなたが周りから信頼を得て、未来の自分にも組織にも感謝される。そんな瞬間を、ぼくも願っています。
30秒で読みたい人のためのまとめ
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次回は2023年02月25日(土)更新予定
よろしくおねがいします。
がんばるぞ。
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