【保存版】起業家が知っておくべきデッドファイナンス(銀行融資)
今回は起業家、特にスタートアップ起業家があまり知らないデッドファイナンスについて、founder/CEOとしてドロサツ(https://drosatsu.jp)を立ち上げた時の事例を基に、メリットとデメリットをお伝えしたいと思います。
起業時の資金調達(ファイナンス)にはどのような手法がある?
起業時のファイナンス(資金調達)には、金融機関から借入を行なうデッドファイナンスと、株式を売却して行なうエクイティファイナンスの2つがあります。
一般的なスタートアップ企業はエクイティファイナンス(「シリーズAで1億円調達しました」みたいなのはだいたいエクイティファイナンスです)に視野が向きがちですので、今回はデッドファイナンスを軸に話したいと思います。
私はドロサツ立ち上げ時からエクイティファイナンスをせず、デッドファイナンスで事業を成長させました。どちらが良い悪いというわけではなく、あくまで事業の性質上判断した結果であり、この記事を読んでいただくとその辺りもご理解いただけるかと思います。
デッドファイナンスの魅力①(レバレッジ)
まず、多くの人は、「デッドファイナンス=銀行借入=借金(悪?)」と考え避ける人が多いと思います。
ただ事業経営においてデッドファイナンスは、「レバレッジ」を効かせるための手段であり、実に多くのメリットがあります。
レバレッジの概念がわかりにくいと思いますので、一番わかりやすい不動産投資(借金)をしたケースで簡単に「図解」します。
上記図では、不動産を管理するコストとか、今回の論点(デッドファイナンス有無)以外のコストは一切無視しており、同じ収益率という前提に立っています。
ポイントは、「自己資金は同じ」だが、手元資金を頭金にいれ、借入をすることによって、高額の不動産を購入することができ、結果にそこから得られる利益額も増えるということです。
上記の図でいくと、借入なしの場合は、500万円を投入して、年間15万円の利益、借入をした場合は500万円を投入して、(金利を返済した上で)35万円の利益となっており、同じ500万円でも借入をした方が利益額が大きくなり、このことを「デッドファイナンスによるレバレッジ」と言います。
では、事業の場合はどうでしょうか?
事業の場合も同様で、事業の場合だと利益率を20%ぐらいは目指すので、調達金利が1-2%程度であれば、十分回収可能性があるのではないでしょうか?
原理は同じなので、大きなお金を使ってビジネスをする方が、同じ収益率であった場合、より大きな収益額を得ることができ事業成長につながります。
でも、借入は借金、返さないといけないじゃん。
デッドファイナンスの魅力②(でも借金は返さないといけないでしょ?)
ここまで読んで頂いて、「レバレッジはわかった。でも借金は返さないといけないではないか。借金返済のために事業をするのは嫌だ」そう思われるかもしれません。
デッドファイナンス=返さないといけないお金、エクイティファイナンス=返す必要がないお金、そう考えている人が多いです。
でもデッドファイナンスは実務上、実は返済不要なのです。
何を言っているのだろう?と思われた方が多いと思います。踏み倒すということ?と思われたかもしれませんが、そういうわけではありません。
理屈的に考えるとデッドファイナンスは返済の必要があるのですが、実務上は返さなくていいのです、この仕組みについて解説します。
これは、貸し手側の視点(銀行)に立って考えると理解しやすいので、その視点で考えていきましょう。
貸付業務における銀行の収益は金利です。1000万円を貸し出し、金利2%で20万円の収益を初年度にあげたとします。翌年は(1年で200万円の元金を返済する5年返済の場合)残元金が800万円、収益は同じ金利なので16万円(800万円×2%)。3年目は600万円の元金なので12万円が銀行の収益です。
さて、あなたが銀行の担当者だった時、これを見たときにどう感じますか?
収益率は年2%で同じですが、収益額が年々4万円減っています。
収益額が減っていく事業って嫌ですよね。そこで銀行は新たな貸付をその企業に行ないます。追加で1000万円借りてください。そうすれば、3年目残元金600万円と新規貸付1000万円合わせて、1600万円の貸付となり、収益額は32万円と銀行目線でいくと収益を増やすことができるのです。
この時の状況を今度は、借りている側の視点から図でみましょう。
どうでしょう?この図ではさらに4年目に追加の借入をしてみましたが、そうすると、借金を返済していますでしょうか?
上記の底辺に補助線(緑)を入れるとこのような形になります。
本記事は2021.1.28に記事有料化方針により、有料となりました。
詳細は、以下ご参照願い願います。
【関連記事】
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?