「はぁって言うゲーム」の制作過程、最初は紙切れだった
*「Board Game Design Advent Calendar 2021」10日担当記事です。
ゲーム作家の米光一成です。代表作は「はぁって言うゲーム」「あいうえバトル」「ぷよぷよ」「BAROQUE」等。
2021年12月03日に『はぁって言うGENERATIONSのゲーム』がリリースされましたヘ(゚∇^ヘ)(ノ^∇゚)ノ ヘ(^∇゚ヘ)(ノ゚∇^)ノ。
今回は、noteイベントの「アイデアを形にする力」で好評だった【「はぁって言うゲーム」のプロトタイプから商品までプロダクトの変化】を写真つきで紹介していきます。
まず2016年の私家版。「はぁって言うゲーム」は、ここからスタートしています。
「ゲームづくり道場」という道場をやっていて、その稽古が終わったあとでプレイしたバージョン。
道場のあと有志で飲み会に行くのですね。その移動中に「好き、って言われたいなー」と思い、「そうか。好きって言い合うゲームを作ればいいんだ。いや、いきなり「好き」だと欲望が露骨すぎるから「はぁ」ぐらいからはじめて……」と考え、居酒屋について、メモ用紙にざくっと書いてプレイしました。
おっと、「はぁって言うゲーム」がどういうゲームか説明しますね。幻冬舎版「はぁって言うゲーム」の動画を見てください。
お題のフレーズ、たとえば「はぁ」って言うお題なら、「はぁ」って言うシチュエーションが8種類カードに書いてあって、そのうちどれか1つを、「はぁ」だけ(ジェスチャーなし、首より上だけ)で表現し、演じた人以外はそれがどのシチュエーションだったのかを当てるゲームです。
メモに書きなぐるバージョンで、飲み会で遊んで、お題を増やしていき、細かいルールを整備していきました。
このころは、ただ飲み会で遊ぶ用として考えているので、パッケージ化するつもりはほぼありません。
毎回メモを書くのもめんどうなので、カードバージョンを作成。カードにしてみると、おお、これをパッケージ化できるなと思いはじめ、ゲームマーケット(アナログゲームの即売会)の新作で発表するかな、と考え始めます。
カード版も、プリントアウトして切ったものをカードスリーブ(100均でも売ってる)に入れてるだけ。簡単に作れます。
カードで作ってみたのだけど、飲み会でカードの束を出すと「なにか本格的にゲームがはじまってしまう」という圧が出ちゃう。
ゲーム好きが集まってるときは問題ないのですが、そうじゃないときは、ちょっとひるませてしまうのです。
メモのときは「なにか面白そうなことをはじめてるぞ」ですんだのに!
で、悩んでいたときにコーヒーチケットの印刷をしてくれるところを見つけます。
コーヒーチケットというのは、ミシン目で切り取って渡してコーヒーが飲めるヤツです。10杯ぶんの価格で11枚つづりのコーヒーチケットを買ったりするお得サービスですな。
この印刷を利用すれば、財布に入れられるタイプの「はぁって言うゲーム」ができる! カバンから箱を出すのではなくて、財布から小さい紙切れが出てくるのであれば圧が少ない。気楽に遊んでもらえるし、持ち運びも便利ではないか、ってんで。
チケットタイプを制作。飲み会のたびにテストプレイを繰り返し、お題を精選して、インディーズ版はぁって言うゲーム(チケットタイプ)を「ゲームマーケット2017春」で発表します。
これが好評を博し、たくさんの人に遊んでもらいました。
QuizKnockでプレイされたり、「ほらボドゲムマ大賞2017」1位になったり、ゲーム好きのあいだで話題に。
JELLY JELLY GAMESの白坂翔さんも気に入ってくれて、JELLY JELLY GAMESから商業流通版を出しましょうとお誘いの声がかかります。
JELLY JELLY CAFEはおしゃれなゲームカフェなので、タイトルを「BEST ACT」とおしゃれにして、お題を増やしましょうという提案に乗り、パッケージ化して2018年4月にリリース。
長くなってきたので、後半は、こちら!
この記事が参加している募集
サポートいただいたら、記事に還元できることに使います。表現道場マガジンをよろしく! また、記事単体で購入できますが、月額800円「表現道場マガジン」がお得です。