3つの言葉を使って創作してみる。選ぶ言葉は適当に思いついたもの。(創作16)
古民家 ひまわり 髪留め
念願のカフェをオープンさせるために、物件を探していた。
「こちらの物件などいかがでしょうか」
勧められたのは、ある古民家。
「カフェをされたいということなので、リノベーションが可能な物件はどうかな、と思いまして」
居抜き物件は検討していたが、古民家というのもいいかもしれない。
「実際にこれから、物件をご覧になりませんか?」
『お願いします』
早速、車で案内してもらう。
「近くにひまわり畑やコスモス畑があって、ちょっとした観光地になってるんですよ」
『そうなんですね〜』
近くに観光地があるというのはありがたい。
「着きました」
車を降り、物件を案内してもらう。
「いかがでしょうか?」
『ここにします』
「え?」
『ここにします』
見た瞬間に即決した。担当者は驚いていたが、すぐに手続きをしてくれることになった。
数ヶ月後、リノベーションも済ませ、古民家カフェをオープンする前に、母を店に招待した。
「あなたが脱サラして、カフェをやりたいって言った時はびっくりしたけど、あなたがやりたいことなら応援してるからね」
『ありがとう』
車の中でそんな会話をしながら、店に向かった。
『着いたよ』
「ここって…」
『やっぱりそうだよね?』
母の実家、つまり僕の祖父の家は、母が小さい頃に人手に渡っていた。
『写真でしか見たことがなかったから、自信がなかったんだけど…』
「ありがとう、ありがとう」
喜んでくれてよかった。
『母さんに、一つだけお願いがあるんだ』
「お願い?」
『カフェの中に、母さんの作った、髪留めとかリボンのアクセサリーを販売するスペースを作ろうと思ってて』
「私の作ったアクセサリーを置いてくれるの?」
『お願いできるかな?』
「ありがとう。本当にありがとう」
了
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