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上野城薪能を見てきたぞ

薪能とかいて(たぎぎのう)というのを先日知った僕です。

能の始祖、観阿弥の出生地とも言われる伊賀上野、
それを普及するための施策?の一つとして、上野城の前で薪を焚きながら能を鑑賞する毎年恒例の行事。

ちなみに自分が鑑賞したのは2回目、
↓以来になります

当時の演目は曽我兄弟の仇討ちということで、
自分の割と知ってる話だったということもあり、割とすんなりと楽しめました

(当時は刀剣乱舞に沼ってたこともあって刀剣乱舞に出てくる刀の時代背景よく調べてたりしたのよ)

↑ちなみに曽我兄弟の仇討ちについてはこちらのWikipediaで。


そして今回の演目はこちら

能楽は二本立て。
どちらも戦死した人を慰める意味合いだったり、病人に取り憑いてる怨霊を呼び寄せるというもの。
(ちなみに主人公という立場にあたるのは両作品とも霊の方)

どちらの作品も呼び寄せられた霊がだんだん悪鬼のようになっていく姿が妙に迫力があるんだ。

演目、葵上は源氏物語でも随一の有名どころなので、知ってる人は知ってると思うけどざっくり説明すると
光源氏の割と初期の頃の愛人に六条御息所がいるんだけど、光源氏に面倒臭い女認定されてしまって、あまり遊びに来なくなったり、そんなに源氏と仲良くなかった正妻の葵上が妊娠して、その結果お互いが仲良くなってきたり、自分の部下と葵上の部下がやらかして険悪になった結果、無自覚で葵上を呪い殺しそうになったという、源氏物語でも屈指の序盤の名場面。

上記のポスターでも般若の面を被ってるのも怨霊と化した六条御息所だし、そもそも般若面というのが「女性の嫉妬や恨み」を表したもので般若面はまだに彼女の代名詞。

初め巫女祈りで登場してきた六条御息所の霊は泥眼の面をつけて悪意は特にない悲しみを背負った女性、
そして彼女を追い払わなくてはならず修験者が呼び寄せた時は般若面の彼女が!!
基本面以外違いはないのに、能特有のゆっくりした動きながら、前者と後者全然違う。


語り出すと長くなりそうなのでここで止めておくけれども、
元々のストーリー(というか原作)もわかりやすく、解説も配られて、まさに初心者向けの能鑑賞会、と言ったところ。
般若面の六条御息所が登場、退場のタイミングの時だけ風向きがステージからこちらに向かってきて薪の煙が客席に流れてきたの、偶然とはいえまさに幽玄そのものでした。

物語について云々語るとクッソ熱く語りそうなので、
(源氏物語のこの辺りのパートが好きというか葵上のこの時に産んだ子供(夕霧)推しなのでね)この辺りにして、

前回鑑賞した時思ったのはガチの初心者でも能の「美味しいところ」を堪能できる本当に初心者向けって感じで楽しめました。
(今回の般若の面という演出といい)
また開催日が休みと被れば行きたい所存。
夜の城の前っていう雰囲気もサイコーだしね。
ただし、テメーはダメだ。


ちなみに会場はこんな感じ。肝心の薪見えないんだけど(お客さんの写り込みをできるだけ減らそうとしてたら撮り損ねた)舞台の左右で燃えてます。


あと余談の余談なんですが、
能の男性って下半身ドムみたいなのなんなんだ…

実際ドムのホバー走行みたいに上半身動かさないような歩き方だし…

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