#73 気持ちを言葉にする第一歩は「ふせん読み」がサポートしてくれる
こちらは一部のみの書き起こしです。 読書のコツが満載の「お悩み相談コーナー」は、Podcast限定でお届けしています。
▽本編ではこんなお悩みにも回答中
日々変わる「機嫌」とどう向き合う?
「子どもの気分にムラがある」
「機嫌が良いときは素直だけど、そうじゃないときが大変」
お子さんに日々寄り添われている保護者さまのお話を聞いていると、こうしたお声をよく伺います。
お子さんの気分・機嫌は本当に目まぐるしく変わるものですよね。さっきまで笑っていたのに急にやる気をなくしたり、なんでもないことでとつぜん怒って、癇癪を起こしてしまったり……
「早く片付けて!」なんて声かけをしたくても、きっと聞いてくれないからタイミングが悪い……でも片付けてもらわないと何も進まない……なんてモヤモヤには、保護者さまのストレスも溜まってしまうでしょう。
さまざまな声かけを試してみて「うまくいった!」と思っても、たまたまお子さんの気分が落ち着いたタイミングだっただけで、次の日にはぜんぜん刺さらない……なんてパターンも聞いたことがあります。
お子さんの気分・機嫌に完璧に寄り添い続けるのはかなり難しく、毎日が戦いのようでイライラしたり、疲れたりしてしまう保護者さまも少なくないのではないかと思います。
お子さんは「機嫌で表すしかない」状態?
でも、実はお子さん自身もこうした機嫌の変化にはかなり困っています。お子さんからすれば「言葉」にできないので「機嫌」で表すしかない状況なんす。
たとえば、宿題をやっていたお子さんが急に不機嫌になってしまったパターンを想像してみてください。
このとき、お子さんの中にはさまざまな感情が渦巻いています。
宿題のこの部分がどうしてもわからないけれど、自分でやり切りたい。
7時からみたいテレビがあってそれに間に合わないかもしれない
でも、途中でやめたらお父さんお母さんに「なんでやめたの」と言われそう
言われてしまったら言い返せない……
こんなふうに、いろいろなことをお子さん自身も考えているわけです。
一方で、お子さん自身ではこれを言語化できていないことが多くあります。
大人であれば、先ほどのように心の中を言葉で説明できますが、実際のお子さんの心はこんなに綺麗に整理されている状態ではありません。
「テレビみたいけど宿題終わらないなぁ」というシンプルなことでも、お子さんの中では正体のわからないモヤモヤになっているんです。
言葉で説明できないので「不機嫌になる」という態度で表すしかない、そんな状態だといえます。
気持ちと言葉の関係は「隠し絵」に似ています。
パッとみればただの模様なのに、よく見ると動物などの形が隠れている絵のことです。
大人にとっては明らかに何が隠れているかわかっても、お子さんにとっては複雑な模様しか見えない状態です。しかも、動物の形を知らないことにはいつまでも解読できない……というイメージですね。
自分の気持ちを言葉にできていないと、態度だけに出てしまったり、「宿題嫌い!」なんて、本心とは違う言葉が出てしまうときもあるんです。
積み重ねで気持ちを言葉に
では、気持ちを言葉にできるようになるには何が必要なのでしょうか?
これは、結論から言うと「日々の積み重ね」がいちばんのポイントです。
気持ちを言葉にするのは大人でもエネルギーのいることで、一気にできるようにはなりません。仮に集中特訓してみても、今度は感想を言うことへの抵抗が生まれてしまいます。
大切なのは、日常のちょっとした会話です。
ご家族のなかでの会話であれば、お子さんも比較的安心して話せます。
失敗しても大丈夫なときに、新しい言葉を使ってみたり、ゆっくり言葉にして表現してみたり……その積み重ねで。徐々にお子さんも気持ちを言葉にするのに慣れていきます。
そして、この日常的な会話のなかで「本」が大きな味方になります。
本にはまず、「話のタネになってくれる」という良さがあります。
いきなり会話をしようと思っても話題に困るし、「きょう何があったの?」なんて聞いても「何も」「ふつうだった」と言われて終わってしまう……なんてパターンもありますよね。
でも、本があれば「この本どうだった?」「どのキャラクターが良かった?」などの質問をするだけで、お子さんの言葉を引き出すことができます。
それから「読書習慣とセットで、自然と会話の機会を増やせる」というのも良いところです。
実際、読書をするようになってから親子の会話が増えた、という方は多くいらっしゃいます。
読んだ後にお子さんのほうから「これ面白かったよ!」と言い出して自然とその本の感想を話すようになったり、夜ご飯のときにテレビを見るばかりだったけれど本の話をするようになったり……
こうした「本についてお話しする時間」は、お子さんの読書へのやる気を高めてくれる効果もあるので、ますます本を読みたくなって会話の機会が増える良いサイクルを作れるわけです。
▽これについては第27回の「本を読んでいない時間にこそ、子どもの成長チャンスあり!」でお話ししていますので、ぜひチェックしてみてください。
ちなみに、Yondemyをご受講中のご家庭のエピソードには、こんなお話しがありました。
もともとこのご家庭のお子さんは、自分では本を読まず、読むとしても迷路の本などが中心でした。ヨンデミーを始めてから本好きになり、感想を毎回少しずつ書いたり、親子で本の話をするうちに、こうした変化が出てきたとのことです。
このお話しはまさに、本を読みながらの日々の積み重ねを通して、お子さんが徐々に自分の気持ちを整理できるようになった例だと思います。
「ふせん読み」で感想を言いやすく
本について話すとき簡単にできるテクニックとして「ふせん読み」がおすすめです。
本を読みながら、心に残った場所や気になったところにふせんをつけておきます。
読み終えたあとは、ふせんの貼ってある場所について質問するだけで、すぐに会話を始められるんです。
「この名前の人、どんな人?」「この絵のどこが面白かった?」というふうに、お子さんに教えてもらうだけで言葉を引き出せます。
そして、そのときに「しっかり認めてあげる」ことが何よりも大切です。
お子さんが「何かを言えた」時点でプラスです。「この感想でいいのかな?」と思っても、しっかり頷いたり相槌を打ったりしてあげてください。
これは、第59回のラジオであすこまさんがおっしゃっていたんですが……
大人からすると「なんでそこが面白いの?」「これは感想なの?」というものでも、お子さんにとってはそれまでの人生経験を総動員して導き出している感想なんですよね。
大人でも何年か経てば感想が変わることは当たり前ですし、まずはお子さんの言葉を尊重してあげるのが大切です。
あくまで無理なく積み重ねることが大切なので、感想を言うことを嫌いにならずに、日々の会話として自然に実践できれば、お子さんが成長していく土台としては十分です。
ちなみにこの「ふせん読み」はヨンデミーメンバーも実践しているので、Yondemyのオフィスには20本1セットのふせんが大量に置かれています。本を読み終わったあとは、ふせんをつけたところを振り返りながら感想戦をしているんです。
本にふせんを貼ってみるだけで、親子で感想を話し合うハードルがグッと下がるので、ぜひ試してみてくださいね。
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