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比率は6:4から7:3、そして未来へ

京都駅から北へ向かう電車は嵯峨野山陰線といって終点駅は園部駅である。山の方に向かっていくから、京都市内を抜けるとどんどん景色が緑になって山景色となっていく。はじめは外を見ていても楽しいけれど、すぐに同じような景色が続いて飽き飽きしてくる。

欲しいものを買おうと思うと京都市内にでて買うことが多かった彼には嵯峨野山陰線で終点まで行ってさらに乗り換えて最寄りの駅まで電車を乗り継ぐそのコースは慣れたものだった。

いつものとおり柿ピーとコーラとチョコとジャンプを買って、右手にすでに停車している電車に空いている席を探す。先頭車両の近くにようやく空いているコンパートメントを見つけて進行方向を向いた右側の窓際に座った。早速柿ピーを開けて隣の席においてつまみながらコーラを一口飲んで窓際の小机に置く。

あとはジャンプをめくりながらだらだらしてれば乗り換えの駅に着く。柿の種を食べる柿の種を食べるコーラを飲むピーナッツを食べるチョコを齧るページをめくる。漫画を読みながら柿ピーをとるのは手で袋を探らないといけないからパーティ開けをする。景色はだんだんと緑が多くなってきて電車の中の人はまばらだ。

このころのジャンプは全盛期で、確か、幽遊白書とるろうに剣心とドラゴンボールとスラムダンクが同じ号に載っていたころだと思う。あ、ろくでなしブルースとかもあったかも。とにかく男子が夢中になるには十分の魅力がジャンプにはあってもちろん彼は毎週購入して読んでいた。好きな漫画をあらかた読んで少し眠気を感じながら巻末の質問コーナーに軽く目を通す。

ふと気づくと、少し眠ってしまっていて乗り換えの駅まであと1駅だった。急いで網棚の荷物を降ろしてジャンプとコーラをカバンにいれる。

駅についても隣のおばさんがゆっくりとした動きで降りる準備をするので中々降りられないけれど、おばさんが降りないと自分も降りられないから待つしか仕方がない。まぁ乗り換えの電車はしばらく来ないからいいかと思っておっとりした肉付きの良いおばさんの動きを見ていると、おばさんは荷物を整理し終わってようやく立ち上がった。

立ち上がった時にパリッと音がした。袋がくしゃっとするような音とポテチが割れるような音が混じったそんな音だ。

立ち上がったスキニー気味のグレーのスエットパンツはおばさんのお尻によく食い込んでいて、食い込んだパンツのお尻のラインには一直線に柿の種とピーナッツが並んでいた。血が滲むぐらいに下唇を強く噛みながらお尻にめり込む柿ピーを素早く数えると柿の種が7つ、ピーナッツが3つだった。おばさんが振返らないうちに素早く柿ピーの袋をもっていたカバンに滑り込ませた――

亀田の柿の種は2020年5月14日を最後に従来の6対4から7対3の比率になった。(→亀田の柿の種ホームページへGO!!!)その日のおばさんのグレーのスエットパンツに挟まった柿の種とピーナッツはそんな亀田の柿の種の未来を示した神のお告げだったのではないか、今になってそう思うのである。ビールに焼酎にハイボールに日本酒、何と食べても合ってしまうので、僕は柿ピーが大好きだ、特にわさび味が。

なんか無性にくだらない話を書きたくて書いたけどナニコレ


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