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オープンレターは甦える: 予言されていたフジテレビ・キャンセル

中居正広氏のスキャンダルに端を発するキャンセルが、止まらない。

率直に「なんで?」と感じた人が多いと思うが、笑福亭鶴瓶氏が、スシローのCMとNHK(BS)の放送をキャンセルされた。想像される理由は事件の前に、疑惑のフジテレビ・プロデューサーも交えて中居宅でバーベキューをしていたから、というだけである。

ひとつ目の記事に出ているが、鶴瓶氏は途中で帰り、滞在中にトラブルはなかったと見られる。BBQで中居氏にプロデューサーが被害者を紹介し、後日の不祥事の「きっかけ」になったのは事実のようだが、問題が起きる前に同席しただけなら、さすがに事件の責任を問うのは酷だろう。

この結果、再度の注目を集めているのが、2021年の春に起こったオープンレターの顛末である。

……ですよね。なんせ、あの時は「鶴瓶さん」に相当する人=事件を起こし炎上した呉座勇一氏の交遊関係者(SNSをフォローする学者)が、一斉に「私まで燃やさないでください!」と逃げ出し、むしろオープンレターに署名して炎上を加速し煽る側に回りましたからねぇ。

よく知られるように、今回の問題を詳報してきた『週刊文春』が第一報(昨年12/26発売)を訂正したため、守秘義務により伏せられてきた事件の内実は一層、不透明になっている。ざっくりまとめると、以下のようになる。

訂正前 フジテレビのプロデューサーが中居宅での会食を被害者に提案し、ドタキャンして二人きりの状況を作ったことが、「上納」にあたる。

訂正後 プロデューサーは(おそらく「上納」の狙い込みで)BBQに被害者を帯同し、中居氏に紹介した。後日に中居氏が被害者を「フジのみんなも来るから」と偽って誘い、事件に発展したことが、「上納」にあたる。

ともに文春の「見立て」なことに注意

第一報が「誤報だ」と非難を集めるのは一理あるが、もともと同誌も含めて、業務命令のような上意下達で「性的な行為を強要した」と報じたメディアはない。むしろ日本では「仕事のつき合い上、断りにくい雰囲気を醸す」形でハラスメントが起こり、結果として(具体的な内容だけでなく)責任の主体も曖昧になる。

……ところが、オープンレターはその程度ではひるまない。なにが起こったかがまったく不明でも、当事者(今回は中居氏およびフジテレビ)が一度でも謝罪したら「それを理由に極限まで叩くべきだ」というのが、当時レターの署名者によって語られた「正義」だからだ。

1月28日
引用されている植村氏が署名者で、
発言当時の文脈はこちら

いやはや、まったくすごいことである。週刊誌やワイドショーを見る人の今の状態に先んじて、大学の先生が率先してこれやってたんですよ?

さてそのオープンレターが炎上する際中、自分に不利な指摘を「事実誤認だ!」と攻撃したところ、そう言う本人こそ事実誤認をしていた証拠を突きつけられて、沈黙に至った学者がいる。

さすがにそうした失敗から、「学者」ならなにかを学んだはずだと、ふつうは期待する。ところが、なにも学んでいないらしい(苦笑)。

北村紗衣氏Twitterより

上記のツイートは今年の1/12付だが、そもそも『週刊文春』は(後に一部訂正された)前年末12/26発売の第一報から、一貫して取材のソースは「被害者の知人」だと明示している。

 X子さんの知人が打ち明ける。
「あの日、X子は中居さん、A氏を含めた大人数で食事をしようと誘われていました。多忙な日々に疲弊していた彼女は乗り気ではなかったのですが、『Aさんに言われたからには断れないよね』と、参加することにしたのです」

 (中 略)

彼女〔X子〕は知人に対し、次のように当時の苦労を明かしている。
「……弁護士探しは本当に大変だった。結局、〔被害の後に入院した〕病院経由で知り合った女性支援団体の方が『この人だったら女性の味方をしてくれるから』と女性弁護士を紹介してくれました。『芸能界の力に屈しないから』って」

上に引いた「文春オンライン」への転載は、同サイトの表示によれば1/10。要は、ネットのチラ見でわかる情報すら一切確認せず、「私の立場的にはこうであってほしいストーリー」を、根拠なく断言しているだけなのだ。

「世間を知っている!」と自称する学者ほど世間知らずなことは、みんな知ってるんだし、失笑して流せばいいのかもしれない。しかしやはりオープンレターと関わった、自称「ジャーナリスト」も同様では話が変わる。

こうした学習能力のない面々が、インフルエンサー気取りで2021年の失敗に懲りずに、25年も誤情報を拡散する現実は、どうすれば改善できるか。

簡単である。かつて過ちを犯し(これは誰にでもある)、その後も反省しない「嘘つき」を、信じるのをやめることだ。

ニセモノの発言は批判され、謝罪を促されねばならない。当初から問題を指摘してきた、ホンモノの発言が拡散され、参照されねばならない。

それでは具体的に、いかなる人たちが、自らの過去に向きあい誤りを認めるまで、追及と批判に晒されるべきであるのか。

次回の更新では「然るべき基準」に基づく名簿を公開する。ぜひ、ご期待とご協力を賜りたい。

参考記事:

(ヘッダーは2023年7月、キャンセルされたCMへの笑福亭鶴瓶氏の起用を報じたPR Timesより)

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