戦争に敗けた後で、歴史を書くことは野蛮なのか
今月発売の『文藝春秋』2月号にも、連載「「保守」と「リベラル」のための教科書」が掲載です。戦後80年の最初の月に寄せて、私が採り上げたのは石川淳の代表作「焼跡のイエス」(1946年)。
敗戦直後を代表するこの短編のあらましは、ずばり、まずは以下のリンクから読めるところまで読んでいただくとして、文字数の関係でどうしても書けなかったことを、今回はお話ししたく。
この小説、舞台が前半と後半で微妙に違うんですよね。コラムで採り上げた喧騒溢れる上野の闇市は、前半。後半はそこからちょ