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破壊と創造 ~ダンスから学ぶ経営~
学生の頃、競技ダンス部に入ってました。
世間では、ChaChaCha、Waltz等、いわゆる社交ダンスと呼ばれているものがありますが、それらの技術を競い合う感じのものです。
フィギュアスケートのように厳密に採点されます。
スタンダード(モダン)と、ラテンアメリカンの二種類があって、
ボクの場合は、
ChaChaCha(チャチャチャ)、Samba(サンバ)、Rumba(ルンバ)、Paso doble(パソドブレ)がメイン種目でした。
![ダンス1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/42366322/picture_pc_8d6d6a2b685d98e441937de79b4c223f.jpg)
![ダンス2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/42366335/picture_pc_498bc8b53c529252335431918d08beb3.jpg)
ボクは、元々、ダンスに興味があるどころか、
リズム感すらなかったので、最初は、かなり大変でした。
先輩:「向山~、ちゃんと音を聞いてー」
ボク:「音なんて、見えません~」
そんな感じで入った競技ダンス部は、
どちらかというと、伝統を重んじる雰囲気がありました。
・学生の部活だから、プロから学ぶのは禁止。
・学生の部活だから、アマチュア戦(アマ戦)に出るのは禁止。
過去に、全国で2位になったことがあるらしく、その先輩方から伝わってきた練習メニューをずっと大切にしていました。
でも、全国どころか、九州大会でも、なかなか勝てない状況でした。
九州大会で上位入賞者である他の大学の方々は、
プロの先生のレッスンを受けたり、アマ戦に出場して、経験を積んでいるようでした。
ある日、H先輩が言いました。
「全国2位になったのは、随分、昔の話だよ」
「ボクたちのダンスは、もう時代遅れ」
「プロから学ぶべきだ」
同様に、A先輩が言いました。
「アマ戦に出て技術を磨かないと、ボクたちの未来はない」
そして、A先輩は、皆に内緒でアマ戦に出場しました。
その後、部活のルールを無視して、アマ戦に出場したことがバレたようで、A先輩は、皆から非難されまくりでした。
あやうく、部活から追放されるところでした。
A先輩がアマ戦に出場したのと同じ時期くらいから、やはりH先輩も、皆に内緒で、プロから学び始めました。
しかも、当時の世界チャンピオンから。
この方々です。
ボクと後輩たちは、
そんなH先輩から、基礎基本を教わり始めたのですが・・・
部活の伝統を重んじる他の先輩方は、
ボク達が、H先輩から教わることに猛反対し始めました。
そして、ある日、ボクたちは、H先輩を除いた20~30人くらいの先輩たちに呼ばれました。
先輩たち:
「Hは、ダンスが上手くない」
「Hは、部活で教えていることと違うことをやっている」
「だから、お前たちは、こっち側に来い」
めちゃくちゃ派閥ができていました!
しかも、多数決で、少数派を締め出すかのように・・・!
結果的に、
H先輩は、全国大会の出場メンバーに選ばれませんでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1704194445760-2cSZN36SD5.jpg?width=1200)
H先輩たちが卒業した後、
ボクたちが4年生になり、新たにペア決めがありました。
ボクのパートナーになった女性は、
以前、『H先輩に対して反対派』の先輩とペアを組んでいた子です。
ですので、最初から、かなり大変でした。
パートナー:
「それ、H先輩に教わった内容だよね?」
「他の先輩に教わったことと違うよ!」
ボク:
「そうだよ。違うよ。だから上手くなれる可能性があると思うよ」
丁寧にコミュニケーションを取りながら、大会に向けて、なんとか息が合うレベルまでもっていきました。
大会前日、パートナーに電話しました。
ボク :「明日の目標は決めてる?」
パートナー:「一次予選、突破かなー」
ボク :「いや、優勝でしょ。頑張ろうよ!」
パートナー:「勝ち負けなんて、どうでも良いよ。楽しく踊れればいい。」
ボク :「絶対に優勝しようよ!」
こんな感じで、大会の当日を迎えました。
![大会](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/42367166/picture_pc_e3593e0cbb77eb586e1e379f2d20b9f8.jpg)
準々決勝くらいまでは、半信半疑だったパートナーでしたが、準決勝、決勝と勝ち上がるにつれ、確信が入ってきたようです。
決勝では、ボクのことを信頼している様子で、息ばっちりでした。
そして、結果発表。
『優勝』
無事に、目標を達成しました。
うちの大学では、数年ぶりの快挙らしいです。
そして、大会後、パートナーに、一言だけ伝えました。
「実は、H先輩は、世界チャンピオンから教わってたんだよ」
パートナー:「えーーー!」
H先輩の名誉を挽回できて、良かったです。
その後、部活は、どうなったかというと、
・アマ戦出場OK
・プロから教わることOK
になったようで、
今では、九州大学の競技ダンス部は、全国の上位常連みたいです。
A先輩や、H先輩の努力が実ったようです。
本当に良かったです。
![](https://assets.st-note.com/img/1704195452211-979wHRpLeR.jpg?width=1200)
破壊と創造。
部活だけではなく、経営においても、同様のことが言えると思います。
ピーター・F・ドラッカーも、経営、すなわち、マネジメントにおいて、管理活動と起業家的活動の二つについて述べています。
既に存在し、知られているものを管理しながら、同時に、それらを陳腐化し、明日を創造することが大切だと思います。
そして、組織に特有の使命を持ち、一人一人を活かしながら、社会に貢献することで結果を作ることが重要だと考えています。
大きくステージを変えるためには、
既存の仕組みを管理し、時には破壊しながらも、新しい仕組みを創り続けることが大事ですよね。
大切な資源を生産的に活用して成果をつくることで、社会の信頼・信用を勝ち取っていきます。
向山雄治
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