「あーした天気にしておくれ」 木村研

 休校が続いていたそらくんの学校も、そろそろ始まりそうです。
 お父さんが、
「明日。天気になったら、学校のしたみにいこうか」
と、いいました。
「したみ?」
「そう。一年生だから、道をおぼえるために車で、学校までいってみようってことだよ」
「うん。いく、いく」
 そらくんは、大喜びで窓の外をみました。それなのに、今日も雨が降っています
 そらくんは、お母さんにハンカチをもらって、てるてるぼうずを作りました。
そして、ベランダの手すりにつるすと、
「あーした天気にしておくれ」
と、お願いしました。

 次の日、目がさめると、そらくんは真っ先窓をあけました。いい天気です。
 そらくんは、お母さんにいわれてないのに、顔を洗ってお父さんを起こしにいきました。
「天気だよ。いい天気になったよ。早く学校にいこう」
 お父さんを引っぱって、駐車場に行きました。
 そして車に乗ると、
「早く、早く」
と、てるてるぼうずがいいました。
 そらくんの作ったてるてるぼうずが、車に乗っているんです。
「ど、どうしたの?」
 そらくんが目を丸くしていると、
「天気にしてやったんだから、ぼくもつれてってよ」
と、てるてるぼうずがいいました。
 だから、そらくんは、てるてるぼうずといっしょに、お父さんの車で学校を見に行きました。

(作者のことば)
もうすぐ学校が始まるね。友だちたくさん作ってね。

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