「今日はおでかけ」 木村研

 自粛が続いています。
「そろそろ買いものにいかなくちゃ」
と、お母さんがいいました。
「じゃあ。運動不足になるから、マスクをして、スーパーまで散歩にいこう」
お父さんが、ゲームであそんでいるひびきくんにいうと、
ひびきくんは、おおよろこび。
「わーい」
と、おおいそぎでマスクをして、外にでて、お父さんとお母さんを待っていました。
「おそいなあ」
と、雨上がりの庭をいったりきたりしていると、へいの上をカタツムリが歩いていました。
「わー。大きなカタツムリ」
 ひびきくんは、カタツムリをつかまえてお母さんに見せに行きました。
 それなのにお母さんは、
「洋服がよごれるでしょう。虫かごにでもいれておきなさい」
と、いいました。
 しかたがありません。
 カタツムリを虫かごに入れて外にでると、今度は、アジサイの葉っぱの上にもカタツムリがいました。
 ひびきくんは、それも捕まえて、
「わーい。二匹になったぞ」
というと、葉っぱのかげから、もう一匹でてきました。
 小さなカタツムリです。
「三匹目」
と、手をのばしたときに、
「さあいこう」
と、お父さんとお母さんが、マスクをしてでてきました。
 だから、ひびきくんは、おおいそぎで虫かごのカタツムリを葉っぱの上において、お父さんとお母さんを追いかけて行きました。

 カタツムリは、親子でした。
 カタツムリも、三匹そろってお出かけします。
 頭の上に、大きな虹がでていました。

(作者のことば)
外に行く時は、マスクをして、混んだところにはいかない。だから、ひびきくんは、お父さんと駐車場で遊んでお母さんを待っていたんですよ。そして、うちに帰ったら、手洗いとうがいも忘れずにしましたよ。

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