「ネズミのいいところ」 はらまさかず


 大きな木に、おいしそうなりんごがなっています。でも、ちっちゃなネズミには、手がとどきません。
 「りんご、食べたいなー」
 ネズミは木のねもとにすわって、りんごが落ちてくるまで、待つことにしました。
 しばらくすると、キリンがやってきました。
 キリンは、りんごをむしゃむしゃと食べはじめます。
 「ずるいや!」
 ネズミは、いいました。
 「何が?」
 「自分ばっかり食べてずるいや。」
 ネズミは、おこっています。
 「だって、ぼくは首が長いから。」
 すると、ネズミはますますおこって、
 「キリンの首が長いのは、みんなにりんごをとってあげるためなんだぞ。」
と、いいました。
 キリンは、ネズミにりんごをとってあげました。
 ネズミは、きりんの耳のうしろをかいてあげました。

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