「紙の国(3)」 はらまさかず
「三人で紙ひこうきにのったんだね。ちゃんと、とぶかな」
お父さんが、しんぱいしていいました。
「とぶよ」
「紙の国は、どんな町なの」
「そりゃあ、すごくきれいだよ」
「どんなふうに」
「まず、紙がきれいなんだよ。いろんな色の紙でね、うすいのもぶあついものもあるの」
「それから?」
「雨がきれいだよ。雨はうすーくて青い紙でできてて、さわったらとけるの」
「それから?」
「それからー、夜がきれいだよ。夜になったら、町中がうすーい黒い紙になるの。ほんとーにうすい紙で、朝になったらやぶれるんだよ」
「ふーん」
ともちゃんとお父さんは、しばらく紙の国の旅を楽しみました。その後、お家までかえってきました。紙の女の子にさよならして、女の子は帰っていきました。