「みどりくん おおなわとび」 はらまさかず
クローバー野原のみどりくんは、風にふかれて、楽しそうに飛んでいきます。
今日は、なわとびの練習をしているコータくんをみつけました。
コータくんは、運動がにがて。クラスみんなでやる、おおなわとびができません。
コータくんがなわに引っかかると、クラスのみんながいっせいに、「コーター!」といいます。なかでもダイちゃんは一番大きな声でいいます。
さあ、今日も、おおなわとび。
「コータ、ちゃんととべよ」
ダイちゃんがいいます。
コータくんはドキドキして、もうだめです。
なわが、目の前までおりてきました。
コータくんのジャンプは、いつも、ちょっぴりおそいのです。その時、みどりくんがふわりと、とんできました。
「あーあ。」
クラスのみんながためいきをつきます。
なわにひっかかったのは、あれ、コータくんじゃありませえん。ダイちゃんでした。
みんなが「ダイちゃーん!」といいました。でも、コータくんはいいません。コータくんは、「だいじょうぶだよ」といいました。
その日から、コータくんは、おおなわとびをとべるようになりました。それに、ダイちゃんともなかよしになりました。
みんなが、おおなわとびをしたグランドには、クローバーがたくさん生えていました。