「さかさまおばけ」 はらまさかず
お外であそべないので、ロコちゃんは、うまくねむれません。
ロコちゃんがこまっていると、スーッと、おばけが入ってきました。大きなおたまじゃくしみたい。
「ロコちゃん、ねむれないの?」
おばけがききました。
「うん」
「じゃあ、ねむれないのさかさまなーんだ」
「ねむれる」
ロコちゃんがいうと、
「ちがうよ。ねむくてしかたない、だよ」
さかさまおばけがいいました。
「ねむくなんかない。もっとあそびたい」
ロコちゃんがいいました。すると、
「もっとあそびたい、のさかさまなーんだ」
さかさまおばけが、ききました。
「あそびたくない、かなあ」
ロコちゃんがいうと、
「ちがうよ。お母さんに歯みがきしてもらいたい、だよ」
「やだやだ」
ロコちゃんは、歯みがきされるのが大きらいなのです。
「さかさまばっかりでねむれない」
ロコちゃんがいうと、さかさまおばけが、また、
「さかさまばっかりでねむれない、のさかさまなーんだ」
と、ききました。
ロコちゃんは、
「もう、おやすみなさい」
と、目をつむりました。
さかさまおばけは、
「大正解!」
といって、パッと消えました。