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それは確かに恋だった。 『夏の前日』







ふたりの長い夏の前日。












”いつもうまくできない できないならもういいやと思って口をつぐむ”
”きっと 今感じる全部 一生残る”
”見てるだけでよかったんだけど 欲しくなってしまった”
”俺の見る世界は なんてつまらないーー”
”迷いも不安も苛立ちも 全部あんただけのもの”
”画家ってのは 生き方ではないのかい?”
”その満ち満ちた孤独を失わないで”

『夏の前日』吉田基已












我々はどこから来たのか
我々は何者か
我々はどこへ行くのか










”なにこれ   夢かな”

”でもさー 描くよね? 青木君 描くよね?
他のことしながらでも ゆっくりでも ときどき休んでも 青木君は描くよね?
青木君 わたし それならうれしいな
描いてくれたらうれしい それだけでうれしいな
描くことをやめないでね 青木君 続けてね”

”馬鹿だな 俺は 認めてほしかったのか”
”その魂がきらきら輝いているとき ひとは自由よ”
”描きたいと思ったんだ 美しかったから”

”晶”

『夏の前日』吉田基已










”好きだった あたしのことなんかまるで見てない横顔が”

『夏の前日』吉田基已















それは確かに恋だった。













思い出ばなし

『夏の前日』は今から十年と少し前、主人公と同じ大学生のときに出会った漫画で、私にとって特別な作品のひとつです。

「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」
生きることそのものに問いかけるふたりの物語。
当時はもちろん、今でもなにかの節目に思い出しては感慨に浸ります。

「ふたりの長い夏の前日。」と、
「それは確かに恋だった。」は、それぞれ1巻と5巻のオビのコピーです。
哲生と晶の物語を表現する、これ以上ないコピーだと思います。

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