神様からひとこと 感想文
「お客様は神様です。」的な、顧客のクレームから会社が成長する物語。なら途中で読むのをやめるかもしれないと思ってた。
萩原浩ワールドは、期待通り、そんなんじゃなかった。良かった。
クレームという名の脅迫への対処は、推理小説のようでもあり、爽快だったなぁ。
終盤の会社に対する糾弾は、半沢直樹を彷彿とさせた。調べてみたら、半沢直樹シリーズの約2年前の作品で、ビックリ。
タイトルを含めた全ての伏線が回収されて、とてもスッキリとして読み終えた。はぁ〜スッキリ。
企業にとって、お客様は神様じゃないよね。
企業が一番大切にすべきは、その従業員。次は仕入れ業者を含めた協力会社。三番目くらいに顧客。じゃないかな。
顧客の無理のために、従業員や協力会社が不遇になることは許されない。そんな顧客は早々に見切りをつけて新しい顧客を見つければ良い。
ただ、顧客のひとことを無視し続けると、本作の珠川食品のように、ジリ貧になんだろうね。
本作で作者が言いたかったことは、そんな企業の在り方じゃなくて、自分を殺してまで会社にしがみつく生き方ってどうなの?ってことなんじゃないかな。
私も考えてみよっ。