心理学的な方法で地方活性化ができるか?
「東京一極集中」ということが問題視されてから多くの年月が過ぎ,昨今の新型コロナによるオンラインツールの一般化の影響で,ほんの少し是正された動きを見せてはいますが,都会,特に東京にまだまだ人口が密集しているのではないかと思います。
今回の記事では,僕なりに考えた地方から東京に人が集まった理由と,それを地方にどのように活かしていくかを書いていきます。
問〜なぜ東京近辺に人が集まるのか?
現状・・・テレビ放送局が東京に集まっており,テレビをつけると,まあまあな確率で「〇〇区にあるショッピングモールでこんなイベントやってます!」,「海外で話題のスイーツが〇〇に来ました!」といった情報が出てくる。
また,インフルエンサー(YouTuber,インスタグラマー,芸能人等)の多くが東京に住んでいて,ネット上では都内のどこで買い物をしたのか,どこのカフェに行ったのかという情報に溢れている。
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田舎にいても,自分が住んでいる地方の情報よりも東京の情報の方が目に付く回数が増える。
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‘単純接触効果’により,何とも思っていない(特に好きでもないし,嫌いでもない)東京に対して,好意を抱くようになる(だんだん気になってくる)。
単純接触効果・・・別に何とも思っていない物事に繰り返し接触すると,徐々に
その物事に対して好意的な感情を抱くこと
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一度好意を抱き始めると,それからどんどん好きになってくる。
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「東京は素敵な場所に違いない」と思うようになると,‘ハロー効果’によって,東京のあらゆる点において,「他よりも優れているに違いない」と思うようになる。
ハロー効果・・・どこか優れている点を見つけると,その他においても優れている
と考えがちになること。最初に触れた情報に引っ張られる。
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そういった思いを持って,上京する。
上京や都市部を批判したり,否定したりはしません。
情報の発信者が都会に密集していることが東京一極集中の要ではないかと考えています。
情報に触れる回数が増えれば増えるほど,それに対して好意を抱くようになる(単純接触効果)。
それまでは何とも思っていなかったのに,繰り返し都会の情報を見ていると,気になり始める。
人間の頭って不思議だなと思います。
もし,東京一極集中が単純接触効果によって引き起こされた面が大きいとするならば,地方にも当てはめることが可能なのではないでしょうか。
地方に関する情報を発信して,都市部に住んでいる若者の目に付く回数を増やせば(「若者」と限定したのは,若者の方が独身率が高かったり,ライフステージの転換により環境が変化する機会が多かったり,環境の変化に対するコストが比較的小さかったりするからです。),地方のことが段々気になり始め,最終的に移住したいと思うようになるのではないかと思います。
移住までとはいかずとも,観光,通勤・通学,起業,ボランティア活動といった関係人口が増えるだけでも自治体にとってはプラスになります。
また,地方に関する情報は,「田舎は住みにくい」,「田舎くらいは面倒くさい」,「なんだかんだお金がかかる」といったマイナスイメージを持たれがちです。
マイナスイメージを持たれているところから,田舎暮らしに関するポジティブな情報を流すと,ゲインロス効果により,より強くプラスなイメージを与えることができそうです。
ゲインロス効果・・・マイナスな印象を持っているものについてポジティブな情報
を与えたときや,プラスな印象を持っているものについてネ
ガティブな情報を与えたときに,より強くプラスなイメー
ジ,より強くマイナスなイメージを持つようになること。
なので,「田舎暮らしは確かに(皆さんがご存じのとおり)こういう点にデメリットがあるが,(皆さんにはあまり知られていないが)こういう点でメリットに感じている」という伝え方をすれば,地方に対して,より強くプラスなイメージを持つようになるのではないでしょうか。
もちろん,地方に来て欲しいからと言って嘘やデタラメな情報を流さず,リアルな,ありのままの情報を発信する倫理観は持つべきです。
単に情報発信者を増やすというだけで,地方活性化にどこまでの効果が出せるのか。
ここまで書いてきたことも仮説なので,どれほどの効果があるのか分かりません。
ただ,答えが分からない以上,自ら実験して確かめてみる価値があると思います。
この1年間,田舎暮らしに関する情報発信に力を入れていきます。
そのために,TwitterやInstagram,これから始めるYouTubeを活用して,田舎暮らしに関する情報を発信していきます。