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ライフハックとしての”ゲーム”の話 ~ヨシタケシンスケ『そういうゲーム』

やすこさんへ

なんと、今日で1月が終わるよ。寒くて縮こまっている間に日々が飛ぶように過ぎていくからびっくりするわ。
寒いと何もかも面倒くさいし気分も沈みがち。でも、大人たるものそんな時でも仕事に家事に、なんとか自分のお尻を叩いて前に進まねばならぬのです。はあー、しんどい。

今日はそんな時にぜひ読んでほしい一冊、ヨシタケシンスケさんの『そういうゲーム』の話を。絵本だけど、これは大人の方が刺さると思う。

この本には人々が日々、いろんな場面でやっている様々な『ゲーム』が登場するの。最初はおなじみ『横断歩道の白いところだけを歩く』ゲーム。これ、単に白いところだけを歩く、でもいいはずなのに、なぜか「黒いところは海、サメがいる」とか、ハードモード設定にしてたよね。懐かし。

『こっちのレジのほうが早かったら勝ち』というゲーム。これは私もレジが混んでる時やりがち。実はひそかに内心熱くなりがち。

でも、こんなクスっと笑える『ゲーム』ばかりじゃなくてー

自分を傷つける人から どこまでとおくにいけるか。
そこそこ いごこちのいいばしょを
みつけることが つくることができるかどうか。

そういうゲーム。

こんなのが急に出てくる。
…人生じゃん。

そういえば昔、甥っ子が、いかにいじめっこに見つからないように学校から帰るか、毎日「そういうミッションだと思ってやってた」と語ってくれたことがあってね。彼もまた、このゲームをやってたんだなあと思う。話を聞いた時、彼はもう大人で、単なる昔話として話していたんだけど、小さい甥っ子くんが「ミッションだ」と自分を鼓舞しながら日々と闘っていたのを思うとけなげで、胸がギュッとなった。

自分を守るためにやらなきゃいけない『ゲーム』って、みんなにあるよね。

しんどいきもちを どうにかまぎらわせて
意味とか理由とか考えずに
いやなことを思い出さないようにしながら
明日の朝まで ふとんの中で息をしていれば かち。

そういうゲーム

…泣いちゃう。

子どもでも大人でも、生きていれば心底しんどい、やりきれない夜はある。それでも生きていくために、状況を一旦俯瞰してゲーム化してみる。「そういうゲーム」は、人生をサバイブしていくためのおまじない?あるいはお守り? いずれにせよ、かなり有用なライフハックかもしれないね。

そして、こんなゲームも出てきたよ。

名前を出さずに 安全なばしょから
自分の正義をふりかざして
自分の正しさにうっとりできたら かち

そういうゲーム。

そのゲーム、本当にやりたいの?と自分に聞いてみることって大事だよね。どういうゲームをどういうルールでやるか、全部自分で決められるんだから、最初の設定を間違わないようにしたいものです。


私は来月も、『健康で なるべく機嫌よく過ごして 面白い本を読めたら 勝ち』とします。ではまた。

2025年1月31日
かおりより


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