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クララと再会した話 〜氷室冴子『クララ白書』〜
やすこさんへ
この間のコバルト文庫の話、懐かしかったね!
多分私たち、読書遍歴は結構違いがあると思うんだけど、中高生時代のコバルト文庫って部分はガッツリ重なってて面白かった。
あの後、やっぱりどうしてももう一回読みたくなって、図書館で探して借りてきました。氷室冴子さんの『クララ白書』
もう何十年ぶりだろう?ものすごく久しぶりに読んだけど、面白かったー!中学時代に読んで面白かった本が今でも面白いなんて、氷室冴子さん天才だな。
しーの、菊花、マッキーの3人組のわちゃわちゃした感じも懐かしかったし、クララ舎長の有間皇子、アグネス舎の《きらめく虹子女史》や《清らなる椿姫の白井さん》など麗しすぎる渾名の先輩方、後輩の江奈や夢見、中等部生徒会長の三巻、大学生の光太郎くん、ああ、みんなみんなお久しぶり!また会えて嬉しいよ!って感じ。
女の子同士の友情、自習時間にシスターの監視の目を搔い潜って書く手紙、文化祭やバザーなど学校行事の準備に奔走する様子、恋愛への淡い憧れと噂話、美人の先輩に対するアイドルを追っかけるかのような盛り上がり等々、私の憧れの女子校寄宿舎ライフは、今も変わらず、本の中でキラキラと眩しかったです。
いいなあ、こんな青春時代をおくりたかったな。
でも、中学生のころにこの物語に出会えて幸運だったな。
私は中高ともに共学の公立校だったし、こういうキラキラした感じでは全然なかったけど、この本を何度も何度も読んでいたからね、しーのたちが本の中で過ごした日々とときめきは、私の中では最早自分の経験の一部と言っても過言ではない。
中学生くらいまでの読書って、それくらいの没入感があった。
その時期に、本の世界でたくさん遊んでたくさんのギフトを受け取ってきたから、私は今でもずっと本が好きなんだろうなあと思ったよ。やっぱりあの時代の読書体験は宝。
あらためて氷室冴子さんとコバルト文庫に感謝です。
やすこさんはあれからミッキーに再会したかな?再読したら、ぜひ感想を教えてね。
それでは、また。
2023年10月13日
かおり