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雨ふりにはてるてる坊主の話〜片山健『コッコさんとあめふり』〜

かおりさんへ

こんにちは。
この間の大雨の中とにかく家に帰りたい話、雨でびしょびしょになりながら家に帰った数々の思い出が蘇りました。私は傘をさすのが下手くそで、いつでも肩とか腕とかものすごく濡れちゃうこともあって、できるなら傘はささずにがんばる派(?!)です。なので、傘を忘れて出かけちゃうことも多いんだよね。(だいたいひどい目にあう……)

中学生くらいのときに駅で少しだけ降り出した雨の中、「ま、何とかなるだろう」と自転車で帰っているうちにスコールみたいになってしまったことがあったの。みるみるうちに道路も冠水し始めるし、服なんかプールに飛び込んだみたいに濡れるし、泣きたい気持ちを通り越して笑いながら帰ったことを思い出しました。今みたいに線状降水帯に襲われることなんかほぼなかったあの時のことは鮮明に覚えています。

せっかくなので、今回は、雨にまつわる話をしようと思ったんだけど、意外に思いつかなくて。子どもたちが小さかったころによく読んでいた片山健さんの『コッコさんとあめふり』という絵本を紹介したいと思います。

片山健さんの『コッコさん』シリーズは、令和ではちょっとびっくりするくらい昭和テイストのイラストなんだけど、優しい色使いで、柔らかい線を見ているだけで癒される絵本です。うちの三兄弟は『コッコさん』シリーズが大好きで、どの本も読み聞かせの定番だった。懐かしい!

『コッコさんとあめふり』は、毎日毎日雨ふりなので、コッコさんが「てるてる坊主」を作って「明日はお天気にしてください」とお願いをするお話です。一生懸命お願いをしているのに、なかなか雨はやまないの。

そこで、毎日コッコさんは必死に考えて、てるてる坊主にお手紙を入れたり、宝物を入れてみたり、疲れているのかもとお休みさせてあげたり……。小さいコッコさんが可愛らしくて、コッコさんの優しさと賢さに「明日は晴れるといいね」と読んでいる大人も子どもも応援したくなっちゃう。最後どうなったかは読んでのお楽しみにしておくけど、絶対に裏切らないステキな結末なので、ぜひ読んでみてほしいな。

令和の子どもたちは「てるてる坊主」は作るのかなあ。うちの子達は、ハンカチに何か包んだり、ティッシュで作ったりしてた。「明日は晴れてほしい」そんな願いを込めて作る「てるてる坊主」は愛しい存在だなと思いました。

例年よりもずーっと遅く梅雨入りした今年ですが、どうか、どこの地域も大雨の被害など受けませんように。久しぶりにてるてる坊主を作ってみようかな。

2024年6月28日
やすこより


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