ごめんよマライア
拝啓
マライア・キャリー様
毎年バカの1つ覚えのように『恋人たちのクリスマス』を流しちゃってごめんね。
あなたはこの曲をキラっていると、昔何かの媒体で読みました。
ポップなイメージだけを広げるな!と。
曲をBGMのように消費してくれるな!と。
カート・コバーンが『Smells Like Teen Spirit』を MTVとの契約で無理やり歌ってたように。
でも、日本の消費者たちに毎年この曲を聴かせてクリスマス気分を煽ってやると、ついサイフの紐が緩んで…
$${\bfどうでもいいものを買っちゃう\LARGE😂}$$
マジでどうしようもないんだ。
日本のスーパーでチープな BGM が流れている理由は「雰囲気的に商品も安そうだ!」がと錯覚させるため、だそうだよ。
あなたの曲を同じ扱いに貶めてしまって本当にごめんね。
日本だけではなく、世界中で似た状況になっちゃってるなんて、心中お察しするよ。
この曲の内容は
「クリスマスプレゼントなんてどうでもいいわ。私が欲しいのはあなただけよ♡」
というものだから、きっとビジネスに活用しやすいんだろうね。
クリスマスは家族で過ごすもの、という文化が強いと言われるアメリカからこんな曲が出てきたもんだから、クリスマスの
$${\it偏ったイメージ}$$にお墨付きをもらった気分になってしまうんだ。
まあ、ほとんどの人は歌詞なんか読んでないだろうけど。
でもね、こう考えてみてほしい。
クリスマスは子ども達にサンタさんが夢を与えるイベントでしょう?
だから、たとえ世界中のリスナーたちが子どもみたいだとしても、サンタさんのように受け入れてくれないだろうか?
許してくれないだろうか?
クリスマスは本来はイエスの誕生日だけど、彼だってひたすら愛を説いている。
同じように、ファッキン・リスナーを許してくれないだろうか?
たとえあなたの曲にパイを奪われた山下達郎や天国のペリー・コモが影で悔しがっているとしても、あなたの楽曲は世界中に愛を与えているのだから。
ひょっとしたら10年後も20年後も、あるいは100年後にも『恋人たちのクリスマス』は流され続けるのかもしれない。
嫌いな作品が代表作になってしまうのは、古今東西クリエイターあるあるだ。
何はともあれ 、あなたはクリスマスソングという市場を制したのだ。
だから1周回ってこの曲が好きになってくれることを願っているよ!
…とか書いてたら、あなたは近年この曲を積極的に披露してることを知った。
じゃあぜんぶ取り越し苦労かよ!?
ごめんよマライア。
Sincerely.