電車から降りる人とハイタッチしてる
日本の電車には重苦しい雰囲気がある。
みんな表情が暗い。
なんとかして温められないものか?
そこで、電車から降りてくる人たちとハイタッチすることにした。
こんな感じで。
ハイタッチの効用
今はまだ私だけの脳内ハイタッチに過ぎないが、いつの日か文化として定着するだろう。
私がハイタッチを推す理由は、とにかくテンションが上がるからだ。
アスファルトに咲く花のように、タッチの数だけ強くなれるからだ。
それに、生きとし生けるものは全てがもう一人の自分である。
アナタは私で、私はアナタだ。
ならば、サッカーの入場時のように互いを鼓舞しようではないか。
ゲームをもっと楽しもうじゃないか。
ハイタッチの術式拡張
電車ハイタッチをしばらく続けていたら、メチャクチャ心身の調子がいいことに気づいた。
そこで、脳内ハイタッチの対象範囲やシチュエーションを拡張し、その呪力をより引き出そうと試みた。
散歩してるワンコ
これは簡単だ。つーか昔からやっていた。
私は散歩してるワンコを見る度に、イメージで撫でまわしている。
キモいかもだけど許しておくれ、犬。
君たちがカワイくて仕方ないんだ。
慣れてきたら、サバンナを歩くライオンや北極で押しくらまんじゅう中のペンギンともハイタッチしてみよう。
街路樹などの植物や野鳥たち
「植物に話しかけながら世話すると育ちが良くなる」
というのはたぶん本当だ。身に覚えがある。
そのうち科学的に検証したい。
同じ要領で、そこら辺に生えている木々や草花とハイタッチをしてみよう。
ちょっと気分が良くなるよ。
街路樹も整列してハイタッチを待ってるよ。
あと、その辺を飛んでる野鳥ともハイタッチするといい。
スズメやエナガなんかだ。
ヤツらは人の視線に敏感であり、イヤらしい目で見つめるとすぐに逃げてしまう。
しかし、暖かい気持ちで脳内ハイタッチをすると…逃げる確率が激減するような気がする。
慣れてきたら、ロシアの針葉樹林やインドで羽を広げてナンパ中の孔雀ともハイタッチしてみよう。
地下に住むモグラたち
灯台下暗し。
この母なる大地の下にも、星の数ほどの生物が蠢いているのだ。
モグラ先輩たちの日常に思いを馳せながら、脳内ハイタッチを楽しもう。
たとえ生涯交わることのない手だとしても。
慣れてきたら、日本海溝の熱水噴出孔にいる原始生物や、地上に侵攻するチャンスを伺っている魔族たちともハイタッチしてみよう。
頭上に浮かぶ星々たち
地球上の生物とはおおかたハイタッチし終えた気がする。
しかし宇宙は広い。
太陽のような恒星が数千億個集まって銀河となり、その銀河が数千億個集まって星雲となり、その星雲が数千億個集まったものが…宇宙らしいじゃないか。
そんな宇宙のヤバさに震えながら、星々ともハイタッチしてみよう。
冬の夜空に浮かぶオリオン座なんかはノリノリで応じてくれそうだ。イエーイ!
慣れてきたら、地球から240億キロ離れた宇宙空間で任務中のボイジャー1号や、M78星雲に住むウルトラマンたちともハイタッチしてみよう。
最終的には森羅万象とのハイタッチ
もうめんどくせぇ。
いちいち対象を決めずに、森羅万象と一度にハイタッチすればいい。
こうだ。
以上が私の日課である。
電車に漂う重苦しさが、これで少しでも解消されればよいのだが。
あ、読んでくれた方もハイタッチをお願いしますね。ボタンあるんで。