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身近なスーパーマーケットのお魚でもできる!!耳石を観察してみよう
お魚や水の生きものが大好きな子が自由研究や調べ学習・探究学習などで思わず試してみたくなるアイデアを紹介していきます。第2回はどんなお魚も必ず持っている「耳石(じせき)」を観察します。海や川へはなかなか行くことができない時でも、お魚屋さんや身近なスーパーマーケットへ行けばいつでもできる研究です!
おすすめの年齢 小学校低学年から
お魚には「耳石(じせき)」という部分があることを知っていますか?
耳石は、お魚の頭蓋骨(ずがいこつ)の中にある炭酸カルシウムでできた石のような組織のことです。どのお魚にもありますが、お魚ごとに違った形をしているので、それを比べて観察してみるのはとても面白いです。
お魚屋さんやスーパーマーケットで入手できるお魚だと、たとえばアジ、キンメダイ、マイワシ、マダイなどは特に耳石が探しやすいお魚です。最初は大きなお魚から試してみるのが良いでしょう。
用意するもの
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家にあるものや100円ショップなどで用意できるものでOKです
・お魚
・箱
・ラベルシール
・ペン
方法
①スーパーマーケットやお魚屋さんへ行きます
②お魚売り場でお魚を選び購入します(切り身ではなく丸ごと一尾か頭が丸ごと残った「あら」を選んでね!)
③保護者といっしょにお魚の頭部を包丁で切り落とし、探します(耳石は左右に2つあるよ!)
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鉛筆を置くと耳石がどのくらいの大きさかがよくわかりました
④見つけたらお箸やピンセットなどで取り出し、水洗いして、水気を拭き取ります
⑤どのような形・色・模様・重さかなどをじっくり観察してみよう
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⑥耳石を好きな箱に貼り付けて、ラベルシールを貼れば、自分だけの耳石箱のできあがり
いろいろなお魚を比べるなら、大きめの箱にいくつかの耳石を貼り付ければ良いね。箱に入れると学校などでお友だちや先生に見せたり発表する時にも便利だよ!
観察を終えたら図鑑をチェック!
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観察したお魚のことは『角川の集める図鑑GET! 魚』で確認してみてください。
図鑑に書かれていることをメモして、耳石のことと一緒に確認しておくと、お魚のことがさらによくわかります。発表などをする時も一緒にお話すると皆の理解がさらに深まります。
先生からのアドバイス
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耳石は魚がバランスを感じるための器官で、実は私たち人間の耳のなか(三半規管のなか)にも小さな耳石があります。魚の組織としては一番硬く、また魚によって異なる形をしているため、他の魚の胃のなかから耳石だけが見つかることで、その魚がどんな魚を食べているか予想をすることができます。また、硬い耳石には木の年輪のような鱗紋(うろこもん)が残されていて、これを利用してその魚の年齢を推定することにも用いられます。私たち魚類研究者にとってはとても便利でありがたいものなのです。
耳石は鰓(えら)の付け根の背中側、頭骨の後ろを探すとみつかります。焼き魚や煮魚を食べながら探すときは、ツルツルした通常の骨のなかに、ざらっとした硬いものがあったら耳石ではないか疑ってみましょう。見た目も通常の骨は透明感があるのに対して、耳石は真っ白で透明感がありません。
耳石には一番大きくて探しやすい扁平石(へんぺいせき)の他に礫石(れきせき)と星状石(せいじょうせき)があり、それぞれ頭の同じ場所に収まっています。もっと高難易度な耳石あつめに挑戦したい人は扁平石だけでなく、礫石と星状石も集めて形や大きさの違いを比べてみましょう!(文・監修=小枝圭太)
小学生のみんなにお薦めの本
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ひとえに「魚が好き」といっても、いろんな形の好きがあります。
この本は、魚の骨が大好きな人が書いた魚の骨にまつわる物語です。
少し大人向けの本ですが、耳石集めにハマったらきっと楽しく読めるハズ!?
先生のプロフィール
小枝圭太(こえだけいた)
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1986(昭和61)年生まれ。琉球大学理工学研究科で学位取得。
博士(理学)。鹿児島大学総合研究博物館 特別研究員(PD)、台湾の国立海洋生物博物館 海外特別研究員、黒潮生物研究所 研究員、東京大学総合研究博物館 特任助教を経て、現在は琉球大学理学部海洋自然科学科生物系 助教として魚類に関する研究や教育活動に従事している。
研究室HPはこちら!!
書籍情報
![](https://assets.st-note.com/img/1720580981358-h7udvM7ddp.jpg?width=1200)
『角川の集める図鑑GET! 魚』
総監修: 宮 正樹 / 監修: 佐土 哲也 / 監修: 小枝 圭太
【定価】2,200円(本体2,000円+税)
【発売日】2022年6月8日
【サイズ】A4 変形判
【ISBN】9784041118535
全国の書店にて発売!
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