家族の思い出が、幸福な未来をつくる
「未来のために何かしていますか?」と聞かれても、5年前の私だったら困り果てただろう。自分の明日にしか興味がなく、「未来」という漠然とした状態を、まったくイメージできなかった。
そんな私が未来について考えられるようになったのは、子どもが生まれてから。未来のことは想像しづらいけれど、子どもが大きくなった時のことは想像できる。
いつしか、私の中で「未来」というワードは、「我が子」と同義になっていった。
子どものためにできることって何だろう?
子どもが健やかに育つためには、安心できる環境があること。
安心感さえあれば、挑戦できる。
安心感さえあれば、人に優しくできる。
安心感さえあれば、人は死なない。
子どもが一番初めに得られる安心感って何だろう?
子どもが最初に所属する社会が「家族」だと考えると、
期待する安全基地は、きっと「家族」だ。
家族の仲を育むもの。
それは、会話があること。
そこには、共通言語がある。
ともに語りたくなる話がある。
きっと、そこには思い出がある。
思い出すだけで、心が温かくなる思い出は、何度だって話したくなる。
それが、家族の幸せのになる。未来の活力になる。
思い出といえば、写真。
むしろ、思い出を残すために写真を撮る。
だから、私は写真を撮る。
自分が幸せを感じるために。
そして、いつか子どもと思い出を語るために。
私の夫は、いちご農家だ。
そして、5年前から「いちごがり写真館」を始めた。
「家族史上、最高の思い出をつくろう」を合言葉に、いちご狩りの様子をカメラマンの私が撮影し、プレゼントしている。
親にとって、子どもの成長を感じられる体験かもしれない。
子どもにとって、愛されていると感じる体験かもしれない。
そうなったらいいな、と思いながらシャッターを切る。
また来年も「いちご一緒に食べに行こう」と会話が生まれてほしいなと思いながら、今年もいちごを育てている。
家族との楽しい記憶を思い出せる子どもを増やす。
きっとその積み重ねが、よりよい未来をつくっていくと信じて。